ミラベルと魔法だらけの家(「秘密のブルーノ」、「本当のわたし」、「マリーポーサ 〜羽ばたく未来へ」)
牧野:私は『ミラベルと魔法だらけの家』の音楽が、コロンビアの独特なリズムがあって、これまでのディズニー音楽にはなかなか無かった独特のリズム感だなと思っています。
「秘密のブルーノ」では、みんなの声が合わさったときにどんな感じなんだろうって。
それでまたオーケストラの生の演奏なので、どんな風になるのか、これは私も必聴だなと思っております。
みんなで面白い演奏にしたいなと思っています。
アナと雪の女王(「オリジナル組曲」、「レット・イット・ゴー」)
高橋:『アナと雪の女王』は好きですね、曲も本当に好きですし。
「生まれてはじめて」とか、すごく勇気をもらったし、アナもエルサも成長していく過程が、音楽的にもどんどん変化があって、それがとっても素敵だなと思います。
そしてやっぱり「レット・イット・ゴー」が楽しみですね。
アラジン(「ひと足お先に」、「フレンド・ライク・ミー」、「ホール・ニュー・ワールド」、他)
後藤:特にアラジンは、すごく“ヒーロー”してないのが僕は好きですね。
泥棒するし、嘘つくし。
それでも誰もが納得するハッピーエンドになるというのは、すごいなと思いながら毎回観ています。
ディズニー音楽の魅力とは?
世代を超えて誰もが共感できるディズニー映画
──皆さん普段から様々な音楽を歌われていますが、ディズニー音楽の特徴はどこにあると思いますか?
高橋:まず嫌いな人を聞いたことがないですね。
牧野:誰もが共感できるところがあるんだろうなと思います。
すごくキャラクターが魅力的で、絶対どこか共感できるところがあって、自分と重ねて見てしまったりとか、そういうところがどの世代の人にも不思議と当てはまるというか、いろんな目線でも楽しめますし。
小さい頃観ていたと言いましたけれど、今『白雪姫』を観たら、全然見え方が違って。
世代によって作品の見え方が全然違うのが、いろんな世代に愛されている理由なんだろうなと私は思っています。
久しぶりに『ピーター・パン』を観て、小さい頃は「ピーター・パンかっこいいな」「私も一緒に空を飛びたいな」とその一心だけで観ていたんですけれど。
今になって観ると、ティンカー・ベルが拗ねているところは、嫉妬だったんだとか。
私が前に観ていたのは嫉妬を知らなかったんだと思って。
今まではウェンディの目線で観ていたのが、お父さんお母さんの目線だったりとか、違う目線で見て、こういうときお父さんお母さんはこう思っていたのかなとか、ピーター・パンが言った意味ってそうだったんのかなとか、私は今まで素直に受け取ってきたけれども、こういう意味が込められていたんじゃないかなといったいろんな発見があって、何回観ても飽きないのが凄いところだなと思います。
ディズニー・オン・クラシックで新しい自分を発見した
──歌うことでも、違う目線を得られることもありますか?
牧野:やっぱり音楽は、キャラクターの鏡というか、映してあるくらいのものだと思っています。
なので歌っていて気付くことがあります。
このキャラクターは、私にはどうなんだろうと思っていたことでも、歌うことによって距離が縮まったなと感じたり、すごく不思議な体験をすることがありますね。
特に今回のラプンツェルはそうでした。
歌う前はこの役は私と正反対だと思ったので、絶対に向かないと思っていて。
オーディションで歌う時も「輝く未来」は候補曲に入れてなかったんですが、「ちょっと歌ってみない? 」と言われて…。
アラン・メンケンの曲は大好きなので、とにかくこの曲に誠実に、1回歌ってみようかなと思って、歌ったときに審査をしてくださっていた日下部さん(ディズニー・オン・クラシック プロデューサー)が「すごい伝わってきて良かったよ」っておっしゃってくださって。
私ってこういうところもあるんだとか、自分で思っているよりも、歌うとこういう一面もあったんだという発見があったりして、今回自分でもびっくりしました。
新しい自分を発見した気持ちでした。
その世界に行ける音楽の凄さ
──秋の「ディズニー・オン・クラシック」は第2部で一つの映画を掘り下げますが、今回はガラコン形式で、ラプンツェルとエルサなど性格も全く違うキャラクターを歌われますね。
牧野:2人のキャラクターは正反対だなと思っていて、どう色を変えたらいいかなと、練習しながら思っています。
でも不思議と、前奏が流れるとその世界に行けてしまうのが、音楽の凄いところだなと思っていて。
歌詞や言葉遣いなど、そのキャラクターのことををちゃんと考えて作られているんだなというのがすごく伝わってくるので、良い意味で音楽に身を任せて歌えたらいいなと思っています。