湊と柘植は、安達と黒沢とは全然違う感じの恋人同士。そこを対照的に観てもらうのも面白い
――映画では湊と柘植の関係がドラマの時より少し発展したような場面もありますね。
ドラマでは二人が付き合ったところで終わっていて、原作でも二人のその後については描かれていないので映画での展開を楽しみにしていてください。もちろん恋人同士という関係性でのスタートではありますが、ラフな感じでいたいな、と思って演じました。
もちろんお互いに好きで気持ちを伝え合っているんですけど、いい意味で気を使っていない空気感を出したいと思って。柘植さんも湊と一緒にいられるのは嬉しいけど、それをあまり言動などで出すタイプではないので、あくまでフラットな感じで。それにもう湊は心の声を聞かれないわけですから、あまり深く考えずにやりました。
ただふとしたやり取りで二人はこうやって支え合っているんだな、とか、湊が子どもで柘植さんがお兄さん的な立場なんだな、とかは見えるようにはしました。
――やきもちを焼いたり、相手を思うからこそ距離を取ることもありましたね。
柘植さんの言いたいけど言ってもいいのかな、みたいなところと、湊くんのツンデレなところとがあって、僕も台本を読んでいて「こうなっちゃうんだ」と思ったりもしたんですけど、それも伏線だったりもして(笑)。
安達と黒沢とはまた全然違う感じの恋人同士なので、そこを対照的に観てもらっても面白いんじゃないかと思います。
――ドラマの撮影から実際の月日は1年くらい経ちましたが、現場の雰囲気はどうでしたか。
最初は同窓会みたいな感じでした。「また会えたね~」みたいな。皆さんすごくフランクなので控室はいつもガヤガヤしてました(笑)。スタッフさんもほとんど同じ方だったので一瞬で溶け込んで居心地の良い環境でした。
僕自身はこの作品のファンとしての感覚もあるので、「僕がここに居てもいいの?」みたいなところもあったんですけど、皆さんがすぐに引き込んでくださって。一度ご一緒しているので最初から深まってる状況でできたのは楽しかったです。
――印象に残っているシーンは?
4人での初詣のシーンは台本を読んだ時に「ここで集まれるんだ!」と期待が高まりましたし、ドラマではあまり4人のシーンがなかったのですごく嬉しかったです。まだ完成作を観れていないのでどうなってるかはわからないのですが結構アドリブも入れました。
それから安達の家に4人で集まるシーンもあるんですけど、湊はドラマの時は行ってなかったので「こうなってるんだ~」みたいな、ファンの気持ちにもなりました(笑)。すごく馴染みやすい家で、僕らがお邪魔してもすぐに落ち着ける場所になりました。
湊くんと黒沢という珍しい組み合わせのやりとりもあって。どこまで観客の方々に聞こえる形になってるかわからないですが、お互いの恋人の話をしたりして、「なんかこういう日常ってすごく幸せだな」なんて思いながらやっていました。
撮影の最初の方にちょっとしたハプニングがあって4人で笑ってしまうということがあったんですけど、そこで一気に場が和んでグッと距離が近づけた気がしました。
――4人でいる時はどんな雰囲気なのですか。
基本的には町田さんが回してくださって、赤楚くんがそのすぐそばにいて、浅香さんと僕はゲストみたいな立ち位置です(笑)。でも僕も気になったこととかはすぐに言うタイプだし、みんなボケるし、ツッコむし、みたいな感じでした。
僕からすると皆さん年上なんですけどそういう堅苦しさも一切なく、そこに監督やスタッフさんも混じってみんなでワイワイやっていました。チームとして仲が良かったので現場でも控室でもとにかくずっと話が止まらなかったですね。