相手を思ってのすれ違いは普段から感じる

撮影/小嶋文子

――本作では相手を思いやるゆえのすれ違いも描かれていましたが、ゆうたろうさん自身は自分だったらどうすると思いましたか。

僕は一人も好きなので、誘ってくれたら行くんですけど自分からは人をあまり誘わないタイプなんです。それによく気を使って誘ってくれなかったり、とかもあるので、そういう相手を思ってのすれ違いというのは普段からすごく感じています。

僕が「行く」って言うと、無理して来てくれてるんじゃないか、って思われることもあって。だから僕は行きたくない時は「行かない」って言うから、友達にしろ、家族にしろ、気を使うのはやめようって言っています。

同じ芸能のお仕事をしている人と会う時は、周りのことを確認しなくちゃいけなかったり、多少気を使わなくちゃいけないとは思うし、そうやって気を使い合うのも嬉しいんですけど、僕にはもっとただの友達みたいな関係でいたいという気持ちもあるので、気を使うのはやめようと話しています。

――心を許してる人だからこそ、本心をきちんと伝えることは大切ですよね。

そうしないと自分が疲れてしまうので。自分で自分を追い詰めるようなことはやめようと思っています。ただ伝え方には気を付けています。言い方によっては傷つけるようなこともあるのでそこはきちんとカバーしながら、自分の想いはちゃんと伝えよう、という気持ちではいます。

撮影/小嶋文子

――最後に映画の公開を楽しみしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

ドラマ放送後の1年半越しの映画ですけど、それぞれの関係性もそのままだし、何も考えずにあの世界観を楽しんでいただけると思います。それからドラマは観ていなかったという方も、登場人物の名前と関係性だけわかっていれば楽しめる内容にもなっているので、そこは気にせず観ていただければと思います。

この作品がすごいな、と思うのは、地方や海外で放送されたのもファンの方の愛があってこそで。SNSでトレンド入りできるように発信してくれたり、このシーンのここの会話が好き、とか、僕たち以上に何回も観て、それを広めてくれたり。そのおかげで映画化ができたと思うし、僕らもこの作品に出会えて良かったと改めて思っています。

なかなか直接会うことが難しい中で、「〇〇でフライヤーをもらって来ました」とか、「〇〇でゆうたろうくんと一緒に写真を撮って来ました」とか、そういう言葉や写真をSNSを通して届けてくれると、僕らもその想いを作品を通して返さなきゃと思って、これまで以上に全力で向き合いました。

宣伝をもっと頑張って、映画がロングランになって、ドラマを観ていなかった方もこの作品の素敵さに気づいてくれたら嬉しいし、最初にも言いましたけど、男性同士の恋愛ものに抵抗がある方も、一回、そういう想いを取っ払って観てくれたら、きっといいなと思ってくださるんじゃないかと思います。そういうきっかけにこの作品がなれたらと思っています。


ご自身も本作のファンと公言しているだけあって、終始、楽しそうにお話をしてくださったゆうたろうさん。特にファンの方への感謝を語る時には、溢れる想いがお話を聞いていて伝わってきました。

『チェリまほ』ファンとしては安達と黒沢のその後も気になるところですが、ぜひ湊と柘植のその後にも期待して観てほしいです。ドラマ同様、きっと幸せな気持ちに浸れると思います。

作品紹介

映画『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』
2022年4月8日(金)全国ロードショー