近年、「ワンオペ育児」やキャリアと子育ての両立、家事育児分担など、ママをとりまく子育て事情の問題が山積み! 少子化対策もあり、ママたちはより一層、快適に子育てに励むことができるよう、推進されています。

そうした中、ママ自身が自分を大切にしながら子育てをする考え方が広がっています。

今回は、最近、注目されるようになった「育自(いくじ)」という言葉に迫ります。その意味とは? 育自を意識するメリットとは? 専門家と産婦人科医の解説をお届けします。ママにとっての幸せとは何かを考えさせてくれますよ。

「育自」って何?

そもそも育自には、どのような意味があるのでしょうか? NPO法人育自の魔法、代表理事の山口ひとみさんは次のように話します。

山口ひとみさん(以下、山口)「育自とは、自分自身を認めて、自分を育てていくことをいいます。そのように自分自身を認めて自分を大事にすると、目の前の子どもや家族など周りの人を大事にしたくなるということを知っている状態ともいえます」

「いくじ」といえば、「育児」ですが、子どもを育てるだけでなく、自分自身の成長にもつながる。もしくは、子どもの成長はもちろん、自分自身の成長のために子どもを育てる、という「育自」は、現代ママに必要な考え方といえます。

「育自」を意識するメリット

現代ママが、育自を意識すると、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?

山口「育児の日常も『子育て』ではなく『自分育て』の毎日であると、考え方を変えることができます。

すると、自分ファーストで何事も考えられるようになり『母親だから子どもにこうしてあげなきゃ』という義務感でなく、『自身をハッピーに保つ』ことができるようになり、子どももハッピーになります」

その他、次のようなメリットがあるそうです。

・自分自身の希望の声に耳を傾けられる
・自分の良さや達成感を認められるため、自己肯定感が高まる
・自分自身をよく知ることができる
・子どもを最優先しないことへの罪悪感が和らぐ
・精神的な余裕が生まれる
・キャパシティオーバーになる前に助けを求めることができる
・生き生きと過ごす時間が長くなる
・育児に煮詰まりづらくなる
・育児に煮詰まってもリカバーが早くなる
・子どもや周りの人から生き生きとした反応が多くなる
・自分を認めることで、子どもや家族の気持ちを受け止める余裕ができるため、人間関係が良くなっていく

育自を意識するとたくさんのメリットが期待できるんですね。