鵝肉(アーロウ)

ほどよく引き締まった『雙連鵝家荘』の肉厚なガチョウ。これにビールが合わないわけがない

1月から2月にかけて、台湾も冷える日がある。やはり冬場は肉を食べて栄養をつけたい。

そんなときは、こってりした豚肉よりもヘルシーなガチョウ肉がおすすめだ。ガチョウ肉は鶏肉やカモ肉と比べるとやや高級品なので、忘年会や正月など、めでたい席で好まれる。

また、台湾人は豚モツを酒のつまみにはしないけれど、ガチョウ肉は酒のつまみと認識している。だから、ガチョウ肉を扱う店にはかならずと言っていいほど酒が置いてある。

ほどよく身が締まり、皮と肉の間にうっすら脂ののったガチョウ肉。噛むと歯にギュッと染み出す旨味。これがビールに合わないわけがない。

寧夏夜市のそばにある『雙連鵝家荘』は、ガチョウ肉に定評がある食堂だ。野菜炒めやシジミの醤油煮といったその他のつまみメニューも充実しているのが、飲ん兵衛にはうれしいところ。

雙連鵝家荘(スアンリェンアージャージュアン)
台北市民生西路205號 TEL:02−2557−6709
17:00~23:30 日曜休

牛筋(ニョウジン)

『老王紅燒牛肉麺』の牛筋120元~。牛肉麺の店としては珍しくビールが置いてある

台北は牛肉麺の激戦区だ。各エリアに人気の牛肉麺の店があり、誰もが自分のお気に入りの店を持っている。

牛肉麺だけに特化した店もあるが、なかには牛肉のメニューを取り揃えた店もある。

『老王紅燒牛肉麺』は、一見、牛肉麺だけに特価した専門店だ。しかも、白タイプの清燉牛肉麺はなく、赤い色をした紅燒牛肉麺のみを提供している。

カウンターを見ると小皿メニューがずらり。煮玉子や昆布といったつまみも充実している。

そんななかでも特におすすめなのが湯がいた牛スジ。一皿120元~なので決して安くはないが、牛スジのぷるんとした歯ごたえがたまらない。これに赤い辛味ソースをあえて、ビールとともに流し込む。至福の瞬間だ。

もちろん、牛肉麺も評判だ。歯ごたえのある麺に、驚くほど柔らかな牛肉。そして真っ赤なスープは見た目ほど辛くなく、ほんのりトマトの甘みが漂い、奥深い味。地元の人たちに愛されている理由を垣間見た気がした。

老王紅燒牛肉麺(ラオワンホンサオニョウロウミェン)
台北市潮州街82號 ℡:02-2391-5727
10:00~20:00 日曜休

 

 

みつせ のりこ:90年代から台湾と関わり、台北で留学や就職、結婚や子育ても経験。現在は執筆や通訳、取材コーディネートの仕事で日本と台湾を往復している。著書に『台湾の人情食堂 こだわりグルメ旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』『台湾一周!!途中下車、美味しい旅』など。株式会社キーワード所属。