ソウルの今を伝えるコラムの7回目は、前回【気になる韓国、ソウルの今 vol.6】で歩いた東大門総合市場の西側から始まる焼き魚横丁と同じ通りにあるタッカンマリ横丁を取り上げる。
外国人観光客のいないタッカンマリ横丁は寂しい

鍾路大通りと清渓川を結ぶ通りの中央から西方向にのびる路地には、焼き魚の食堂が集まっているが、この通りを50メートルほど行くと、右手にハングルで「明洞タッカンマリ」と書かれた赤い看板の店が見えて来る。
この辺りからタッカンマリの大型店舗が目立ってくる。路地に面したところに4軒、その裏手に2、3軒といったところ。

タッカンマリとは何か? コロナによるステイホームで、ネットなどを通じて初めて韓国文化にふれた人もいると思うので説明しよう。
タッカンマリのタッは鶏。ハンマリは一羽(一匹)。つまり「鶏まるごと一羽」のことだ。料理名としてはかなり異質である。名前だけでは鶏を焼くのか煮るのか蒸すのかわからないが、鍋で煮る料理である。

日本の食べ物でいえば鶏の水炊きに近い。スープは赤くないのでそのまま食べても辛くない。
煮た鶏肉を小皿に入った赤いタレにつけるのが一般的だが、卓上の醤油、芥子、酢、ニンニク、唐辛子粉などを混ぜて好みのタレを作ってつけて食べてもいい。
酒のつまみにも最高だ。
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