揺れる台湾カステラ
「なんじゃこりゃー」
台湾カステラを目にした瞬間、ジーパン刑事の名セリフを叫びたくなった。だってそうでしょ。
台湾カステラを持つ手を上下に動かしたらぷるんぷるんしたのだ。
カステラもシフォンケーキもスポンジケーキも指で押せばへっこむ。でも、間違っても揺れることはない。そんなこと絶対ありえない。
揺れる台湾カステラを作っているのは、台南にある『名東』。その吉祥寺店が2022年6月10日にオープンした。
ガラスの向こう側で、台湾カステラを焼いているのをかぶりつきで眺めることができる。
オーブンから取り出した焼きたての台湾カステラは、まるで強大な厚焼き玉子のようだった。これを14本にカットし、焼きたてを箱に入れて渡してくれる。
フレーバーは8種類と豊富!
フレーバーは、写真のオリジナル(980円/すべて税別)の他、かぼちゃチーズ(1350円)、タロイモクリーム(1280円)、エンジェルレモン(1280円)、チョコレート(1350円)、黒糖(1100円)、紅茶(1100円)、クランベリーチーズ(1350円)の8種類。毎日オリジナルと、2種類の味わいの台湾カステラを焼いている。
「まずは、オリジナルと呼ばれるプレーン味を食べてください」とスタッフに諭された。「うちの台湾カステラは揺れるんです」
焼きたての台湾カステラをスタッフに持ってもらい、撮影にのぞんだ。
厚さは約10センチ。キメが細かく、つやつやでつるんつるん。色こそカステラだが、どう見てもカステラには見えない。ほぼスフレ。
ひと口食べてみた。卵の味と甘い香りがした。口に含んだ瞬間、噛まずにとけるような食感が、『名東』の台湾カステラの特徴だった。
これまで長崎カステラに代表されるカステラならいろいろなメーカーのものを食べてきた。
けれど、台湾カステラは未体験。他の台湾カステラも食べなければ、違いがわからない。吉祥寺から都内の某台湾カステラ専門店に向かい、プレーン味を1本購入。
自宅で『名東』と某専門店の台湾カステラの食べ比べに挑んだ。