叱るときはレッドラインをもうけて。それ以外は失敗して受け入れていくことが子どもの成長に繋がります(坪田)
ーどうしても叱らなければいけない場合はどうするのがいいでしょうか?
加藤:「何のために叱るのか」という目的がハッキリしていればいいと思いますね。自分のストレスや怒りを鎮めるために叱るのは相手のことを見ていないということですから。
坪田:「前回はこれで叱ったけど、今回はやめておこう」とかブレてしまうと、子どもも何をしてよいのか、悪いのかが分からなくて親の顔色を伺うことになってしまい、教育の本質である「自立」から遠ざかってしまいます。
だから「これは絶対ダメ」というレッドラインを決めることが重要ですね。
これは確実に叱られるっていうラインが明確化されていたらそれはやらないようになります。それ以外は叱らなくていいんです。
子どもが迷って失敗したら、それを受け入れて改善すればいい話なんですよ。
子どもや旦那さん、どうやってほめるのが効果的?
ー本の中ではタイプ別のほめ方についても説明がありましたが、「どうほめたらいいのか分からない」という場合はどうすればいいのでしょうか。合わないほめ方をすると逆効果なのかな…と。
加藤:このほめ方がよくない、というものは基本的にはありませんが、教習所だとS字カーブを通れたことをほめて喜ぶ人もいれば、プロセスをほめて喜ぶ人もいますし、なぜほめたのか理由が欲しい人もいるので、相手の反応を見ていくことは大事ですね。
坪田:ほめが効く子、効きにくい子っているけど要は自己肯定感なので、それまで家庭でどうほめられてきたか、叱られてきたかにシンプルに比例しますし、ほめられ慣れていない子が見知らぬ人に「君ってすごいよね」とほめられても猜疑心が増すだけなんです。
だから相手のことを心の中で抱きしめるような気持ちで話すことで、信頼関係も築いていくことが大切だなと思っています。
ー旦那さん、パートナーのことはどうほめると関係が円満になりますか?
加藤:たとえば洗濯物を片付けるのを手伝てくれたらほめると言うより「手伝ってくれて私は嬉しい」とアイメッセージで伝えることですね。私もそう言われたら「じゃあアイロンかけもしようかな」となりますから(笑)
坪田:心理学用語では「好意の返報性」と言いますが、好意を言うと好意を返してくれるし、挨拶すれば挨拶してくれる。逆に敵意を向けると相手も敵意を向けてくる。
みんなそれぞれの人生を生きている中で、「何で私の思い通りに動いてくれないの?」と思ってもそれは無理な話なんですよね。
それでもちょっとは家事をやってくれているんだ!と考えれば自然と感謝の言葉が生まれて、ほめられるんじゃないかと思いますよ。
まとめ
一言に「ほめる」と言ってもその世界は非常に奥深く、また難易度が高いもの。
その中でも加藤社長の「ほめられる側ではなくほめる側のストレスが減り、いい効果があった」というのは印象的でした。
子育て中のママにとっては子どもや旦那さんをほめることで自分が心地よくいられる、とメリットを得られそうですね。