JR大久保駅とJR新大久保駅の間を走る、大久保通りを脇道に入った数十メートル先。
階段を上がっていくと、チベットの寺院などに設置されている、手で回す円筒形の仏具(「マニ車」というらしい)が出迎えてくれた。
店内の壁面は朱色と赤で塗られており、その一部にはエベレストの絵とネパールの地図が飾ってあった。
この店『ソルマリ』も知り合いのネパール人(千葉県在住)が紹介してくれたネパールレストランだ。
ネパール人が紹介してくれたネパール料理『ソルマリ』
『ネワーダイニング』にもエベレストの写真が展示してあったが、ネパール人にとってエベレストは母国の象徴であり、遠く離れた祖国を偲ぶ風景としてエベレストが欠かせないのかもしれない。
ランチセットは全6種類。ダルと呼ばれる豆カレーの他、チキンカレーや豚カレー、フィッシュカレーなど8種類のカレーのなかから1品好きなものを選べるスタイル(Aセット以外)。
ロティ(インド料理ではチャパティ)が付くセットもあったが、一番料理の品数が多そうな「ネパールヂィドセット(1300円/以下すべて税込)」をオーダー。もう1品のカレーはマトンを頼んだ。
料理が出てくるまでの間、店内を観察した。
店のTシャツを着た年配の男性に、私服姿の若い男性が両手を合わせ、拝むように挨拶をしていた。
二人の関係はわからないが、海外在住のネパール人にも年上の人を敬うという文化が継承されていることを目の当たりにしたような気がした。
見ていて清々しかったし、この店ならきっとうまい料理を食べさせてくれるに違いないと確信した。
ネパール料理はまったくの門外漢。予習もせずに入店した輩が待つテーブルに「ネパールヂィドセット」が運ばれてきた。
一番上から時計回りでダルカレー、マトンカレー、フライドミット、タルカリ、ヨーグルト、サラダ、チャットニ、アチャール。中央の小豆色の料理が、セット名にもなっているヂィド。その隣がパパド。
ヂィドはほのかに湯気が立っていた。