「ヂィド」はネパール人が大好きな料理

【ソルマリ】ネパール人が大好きなヂィド。そばがき風なふわふわな食感

料理を運んできたホールスタッフに訊いたら「ヂィドはネパール人が大好きな料理」だと教えてくれた。

けれど、ヂィドって何? 小豆色だが、小豆を使った料理ではないようだ。ふわふわで、ざらざらとした食感もある。そば屋で同じようなものを食べたことがある。そう、そばがきだ。

そば粉と水を鍋にかけ、練りながら火にかけて作るのがそばがき。届いたとき湯気が出ていたのは、作りたてだからかもしれない。

が、そばがきならば、そばと同じ色のはず。なぜ小豆色なのかわからないまま、スプーンでヂィドをちぎり、カレーにひたして食べはじめた。

「マトンカレー」は骨付き肉を調理

マトンカレーは骨付き肉を調理してあった。肉を手でつかみ、前歯で肉をこそげ取るようにして食べる。

【ソルマリ】マトンカレー。スパイシーだが、辛くはない

スープカレーのような「ダルカレー」

ダルカレーにはレンズ豆やエンドウ豆など複数の豆が入っていた。カレーというよりもスープカレーに近い。

【ソルマリ】ダルカレー。あっさり味で、滋味深い味わい

タルカリは帰宅後ググったのだが、カレー風味の野菜のおかずという意味らしい。

フライドミットはマトンカレー同様、骨付きの羊肉を揚げてあった。

チャットニがやや辛かった。カレーやヂィドを食べながらピリ辛のチャットニをなめると味変を愉しめる。

アチャールは大根の漬物。酸味があり、キムチというか、カクテキのような味わい。

【ソルマリ】チャットニ(左)と、大根のアチャール

メニューには「モモ(600円)」も載っていた。その説明には、「スパイスで味付けした鶏ひき肉のネパール風蒸し餃子」とある。『ネワーダイニング』で蒸しモモを食べたので、「フライドモモ(700円)」を頼んだ。

食感がもちもちな「フライドモモ」

【ソルマリ】揚げ小籠包的なフライドモモ。赤いソースが付いてくる

モモは餃子というよりもその包み方からすると小籠包だと思う。すなわち、「フライドモモ」は揚げ小籠包。

揚げているため若干水分がとんでいるが、ジューシーでスパイシー。

小籠包は皮が薄いが、モモはやや皮が厚く、食感がもちもち。

赤いソース(チャットニ?)が付いてきたが、やはり辛い。そのまま食べたほうがいいかも(個人的感想です)。

JR大久保駅界隈にあるネパールレストランでネパールの国民食的な料理を食べ比べてみた。

ネパールの隣国、中国の食文化の影響を受けているはずなので、中国料理になじみが深い日本人には食べやすいし、うまいと思った。とくにモモ。餃子好きの日本人ならば、モモやフライドモモだけでご飯を食べられる。

とはいえ、ネパールの食文化をまったく知らないよりも多少勉強したほうがより料理を愉しめるし、おいしく食べられるに違いない。反省しています。

もうひとつ。2軒のネパールレストランに共通していたことがある。

国民性なのかもしれないが、ネパール人スタッフが親切で丁寧。料理以上に、その人柄と笑顔が魅力的だった。

【ソルマリ】

住所:東京都新宿区百人町2-20-23 2F
TEL:03-5937-2792
営業時間:11時~16時、16時~24時(LO23時)定休日:無休(不定休)

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。