焼き菓子の「フラン」をご存知だろうか。タルトにも使われるブリゼ生地でカスタードクリームをつつんだ焼き菓子である。フランスで長年親しまれてきた伝統的なお菓子で、最近都内に専門店ができた。
初めて食べたフランは、『ブルディガラ パティスリー』のものだった。
同店は広尾に本店がある『ブルディガラ』初のパティスリー専門店として、グランスタ東京にある『ブルディガラ東京』の一角に2024年9月にデビューした。
「フィナンシェ」や「マドレーヌ」なども販売しているが、「フラン」(本体価格360円)目当ての人が多いようだ。
フランはお菓子職人が丁寧に作っています
生地が硬いフランもあるが、この店のはブリゼ生地がほどよい硬さで、なめらかなカスタードクリームとの調和が舌に心地よい。

川崎の工房で成形までしたものをブルディガラ東京の厨房で焼いているという話をブルディガラ パティスリーの横尾絵里店長に聞いていた。
今回フランを焼いているところを見せてもらった。

川崎の工房がオートメーション化されているのかどうかは定かではない。けれど、フランのブリゼ生地とカスタードクリームは、お菓子職人がつきっきりで作っているという。
「カスタードクリームは熱伝導がよい銅鍋で時間をかけて丁寧に仕上げています」
「ケーキほど“時間の仕事”であると考えさせられるものはない」と辻調理師専門学校と辻製菓専門学校の校長だった辻静雄が記している。
時間をかけて粉から作ったブリゼ生地に、やはり粉から練り上げたカスタードクリームを絞り、フランを作る。

「これをブルディガラ東京の厨房の窯に入れ、高温と低温で二度焼きします。1日に三回、毎回100個ずつ作り、焼き立てをご提供しています」
焼きたてをブルディガラ東京内のイートインコーナーで食べることもできる。
「テイクアウトするならオーブントースターでリベイクしていただくとよりおいしく召し上がることができます。