子どもの話をちゃんと聴けている親は、案外少ないようです。
ちゃんと話を聴けていないと、子どもがいきなり「学校に行きたくない」と言い出したり、外で親が予想もしなかった問題行動を起こしたりして、「どうしていきなりこんなことに!?」とパニックになってしまうことも。
子どもの話を聴くことは、子どもの心の声を聴くこと。子どもの心を把握することです。
子どもの心をきちんと把握するためには、子どもの心を開くような聴き方をすることが大切です。
多くの親が何気なくやってしまいがちな、「子どもの心を閉ざす聴き方」、そして「子どもの心を開く聴き方」をお伝えします。
子どもの心を閉ざす聴き方3選
親のどんな聴き方が、子どもの心を閉ざすのでしょう?代表的なNG聴き方を3つお伝えします。
1.用事などをしながらの「ながら聴き」
子どもが話しかけてきたとき、洗い物をしながら、スマホをいじりながら、テレビを見ながら、子どもの話を聴いていませんか?
これは、実に多くの親が無意識にやっている、子どもの心を閉ざす聴き方です。
このような何かをしながらの「ながら聴き」では、子どもは話を聴いてもらっている気がしません。
私の友人は、つい先日、小学生の娘に、「パパは私が話しかけてもテレビばっかり見てて、いつも話聴いてくれないもんね。こっちが一生懸命話してるのに、「え?なんて?」ってすぐ訊き返したりするし」と、ふいに言われて、焦ったそうです。
親としては十分聴けているつもりでも、「ながら聴き」は、子どもにとっては「ママ(パパ)は私の話を真剣に聴いてくれていない」と思う聴き方です。そして、子どもは、親のそんな態度にとても傷つくのです。
2.アドバイスや説教をする
子どもの話を聴くと、ついつい「それは、こうすればいいんだよ」「そんなことしたらダメよ」とアドバイスや説教をしてしまう方も多いようです。
これも、子どもの心を閉ざす聴き方です。
子どもは、アドバイスや説教をしてほしくて話をしているのではありません。大人もそうですが、誰かに自分の話をするときというのは、気持ちを分かってほしい、共感してほしいときです。
それなのに、アドバイスや説教をすると、子どもは「ママ(パパ)は自分の言いたいことばかり言ってきて、僕の気持ちなんてちっとも分かってくれない!」となります。そして、「どうせ僕のことなんて分かってくれないんだから、話さないでおこう」と口を閉ざすようになります。
3.話の途中で口を挟む(先を急かす)
子どもの話は、回りくどかったり、支離滅裂だったり、何を言いたいのかよく分からないときも多いと思います。
なので、話を聴いている最中、ついつい「それってつまりこういうことじゃないの?」「さっき(昨日)はこう言ってたよね」と口を挟んでしまいたくなることもあるでしょう。
まとまらない話にイライラして、「それが何?」「早く話して」と、先を急かすようなことをつい言ってしまうこともあると思います。
しかし、話の途中で口を挟まれたり、先を急かされたりすると、子どもはプレッシャーを感じ、本当に話したいことが話せないまま終わってしまう可能性があります。そして、「また話の途中で突っ込まれたりイライラした表情されたら嫌だから、話さないでおこう」と口を閉ざすようになります。