相談先を複数確保しておくべし!
どこに何を相談できるのか、あらかじめ把握しておくことで、経済的な不安を解決する手段が増えます。
前出の50代女性は、まずはお住まいの地域の役場に相談に行き、以下のような相談先を案内してもらい、それぞれの相談先に問合せてみたそうです。
その際、高額療養費制度についてもはじめて知ったとのことで、『健康保険制度等、社会人として必須の知識は、社会に出る前に学校で教えてほしかったですね…』としみじみ言われた言葉が印象に残っています。
主な相談先の一部をご紹介します。
・高額療養費制度や傷病手当金→加入している健康保険の担当窓口(協会けんぽ等)
・医療費の支払い等→医療機関の相談支援室等の相談窓口・メディカルソーシャルワーカー等の専門家
・治療や療養生活に関すること全般→がん相談支援センター
今回、実際にがん治療を受けた方々に話を伺ったことで、一般的な治療費以外にも想定外の出費が色々とかかることを実感しました。
がんに向き合うということは、ご本人の心身の負担は相当なものだと思います。
全てを患者やその家族だけで背負い込むのではなく、治療の為の費用や収入減少等による経済的負担については、様々な相談窓口や専門家のサポートを受けながら少しでも軽減することができたなら、より治療に専念できるのではないでしょうか。
子育て世代にも人ごとではない『がん』と『お金』のこと。当事者だけではなく、社会全体で考えていきたいものですね。
※令和4年12月現在の情報です。
【執筆者プロフィール】髙柳 万里
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャルプランナー
金銭教育を受ける機会が全くないまま社会人となっていたことに愕然とし、必要に迫られて平成二十年FP資格取得。「創意工夫と試行錯誤」をモットーに、主に親子向け金銭教育や教育費関連について執筆しています。