■「声で人をイライラさせてしまう場合も!?」

……声でその人の印象が悪くなってしまう場合もあるんですよね!?

「印象が変わってしまう悪い例をいくつか出してみましょう。まず、声のものすごく小さい人って、聞いていてイライラしちゃいますよね。それから、声は出ているんだけれども、なんとなく『拡散する声』っていうのもあるんですよ。シュッと前に通らない、モア〜っとした声。そういう声の方って、なんとなく口元のあたりがゆるいんです。口角が下がっていたり、唇が厚くボヤーっとしていたりとかで…。やっぱり印象はあまりよくないですよね。
それと真逆で、やたらうるさいキンキン声も毛嫌いされがちです」

……そのような「自分の声のウィークポイント」を正確に把握していない人は、おそらく多いですよね?

「そうですね。自分の声の悩みを正確に把握していない人は、どこに気をつけるべきか、修正すべきかの焦点が合わせられないので、なかなか改善しにくいですね。

例えば、いわゆる『滑舌がはっきりしていない声』というのが皆さん悩みの種としてあるかと思いますが、一般の方の場合は、実は滑舌以前に『声が出ていない』ということも、多いのです。それなのに、肝心なことを改善しないで、無駄な努力をしてしまうから治らないのです。

また、吃音に悩んでいらっしゃる方も、最初にほんのちょっとしたウィークポイントを指摘されたことが、トラウマになっている場合が多いと思います。それを改善して自信が持てれば、吃音すら改善される可能性が高いのです。このように、元々にある原因を見つけ出し修正すれば、全体の印象がよくなり、悩みも解決されます。逆に言うと、根本原因を自分で把握できないと、いつまでたっても声に自信が持てないままになってしまうのです」

 

■「相手の耳に届く声」を心がけよう!

……「声」や「話し方」で人にいい印象を与えるにはどうすればいいですか?

「初対面の方で印象が悪い場合というのは、おもに『耳に届かない声』です。だから、耳に届く声をどう作るかというのが重要です。それとに、声の高い低いは実は「良い印象」と関係ありません。声が低くたって、通る人は通る。つまり、声の高い低いは好みなんです。高い低いではなく、『伝わりにくい、キンキンしてイヤ、低すぎて聞こえない』などというマイナスの部分がなくなれば、あとはその人の個性ですから、気にする必要はありません。

つまり自分の一番マイナスのところを、プラスにとは言わないまでも、『普通』のところにもっていくだけでいいのです。ただし、ちょっぴりの努力は必要ですけどね」

■「笑うツボ」を意識して声を出せばOK!

 

押さえられている箇所が笑うツボ

……声を出す時に気をつける「基本のキ」はなんですか?

「声を出す時に、『笑うツボ』を常に意識してみてください。これは、思いっきり笑いすぎた時に『痛い、苦しい、ヤメテー!』と感じる、力の入るお腹の部分です。この『笑うツボ』から声を出すと、ノドや口元からではなく、いい声が前にシュッと出てきますよ」

 

■理想の「声」は作れる!

……ちなみに、自分の「声」は努力次第で変えられますか?

「声は作れます。そして、印象も、がらりと変えられます。本当に声の出ない人っていうのは、ノドのあたりから上だけで喋っているんです。でも、第一声、たとえば「おはようございます!!」っていう時に、しっかり『笑うツボ』を意識すれば、びっくりするほど明るい通る声が出ます。それだけで、『あ、このコ元気!』って思うじゃないですか(笑)だから、最低第一声だけでも意識するということが大切です。声の第一印象って、実は、そんなことで変わってしまうんです」