2: 明るい両親なのはよいけれど…

SEの沙耶香さん(仮名・32歳)は、夫の実家でイベントが多すぎると頭を抱えています。

2歳上の夫の両親はどちらも陽気でにぎやかでまるでラテン系民族のようで、家に人を招いてはお祭り騒ぎ。

沙耶香さんは、夫の実家なのだから……と思って合わせていたのですが、米寿のお祝いや七五三はもちろん、親族の誕生日会や結婚記念日、花見に暑気払いに月見やひな祭りなど、ありとあらゆる行事に「嫁も手伝うべし」という風潮に驚いたそう。

沙耶香さんの家庭は両親ともに穏やかで、年々「お茶をたてるように静かな生活」を過ごすようになってました。

紗香さんは夫にお願いして、「静かに暮らしたいから参加を控えたい」と夫の実家に伝えてもらったのですが、理解してもらうのは大変なことでした。

そこでとうとう紗香さんのお父さんが手土産をもって夫の実家に出向き、「ふつつかな娘ですが、静かな生活環境を結婚しても続けたいという意向をくみ取ってもらいたい」と頭を下げたそうです。

「父のおかげでやっと落ち着いた生活を取り戻しました」と喜んだ沙耶香さん。その後妊娠、出産を経て、母親としても幸せだそうです。

一人で悩んだり苦しんだりせずに、周囲にSOSを発信して助けてもらうことも、夫実家との文化の違いを緩和できるといえますね。

夫の実家に生きたくないという「帰省ブルー」。

回避するためには、まず結婚前から夫が育った環境を受け入れるようにしたいもの。そのためには結婚前に、互いに「うちの家族が他の家庭と違うと感じること」を話し合ってすり合せるのがよいでしょう。

すぐには思い当たらないことでも、深堀していくと意外なことがわかるものです。

コラムニスト、小説家、ルポライター。2万人以上のワーキングウーマンを取材し、恋愛、婚活、結婚をテーマに執筆。「英語でリッチ!」で第12回ライターズネットワーク大賞受賞。07年10万人に一人の難病を後遺症なしに完治。「生きるを伝える」(テレビ東京)に出演。ブログ:「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪」