晴れているけれども、冷たい空気のせいか、冬の時期は、洗濯物を外に干しても乾きづらいと感じる事はありませんか?

とはいえ、テレワークで部屋着などで仕事をすることが増えたため、本来ならそれほど洗濯の量が増えない冬でも、洗濯物の量が増えたと感じている人も少なくないのだとか。

「乾かない」「部屋干し臭がする」など、冬だからこそ特に気になるお洗濯の悩み。

そこで今回は、「冬の部屋干し」の代表的なお悩み、疑問にお洗濯のプロが答えます!

フォトギャラリー「乾きにくい」「生乾き臭」を防ぐ!冬の洗濯&乾燥のコツを見る

教えてくれたのはお洗濯マイスター 大貫 和泉さん(消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士 健康予防管理専門士)

お洗濯マイスター 大貫 和泉さん。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わる。また、母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすくお伝えしている。

冬の洗濯の悩みをプロの技で解決!

冬だからこその洗濯の悩みの一番は、「生乾き臭」。

「結局はお天気が悪ければどうしようもないでしょう?」「乾燥機が家にないから仕方ない」と諦めていた方も、今日から使えるプロの技をお伝えします。

Q.そもそも冬は湿度が低いのに、なぜ洗濯物が乾きにくいの?

冬は、肌や唇がカサカサになってしまうほど、空気が乾燥していますよね。湿度が低く、乾燥しているとなれば、洗濯物だって早く乾く印象です。

しかし、実際洗濯を干していると湿度が高い夏よりも乾くまでの時間がかかりませんか?

実は洗濯物が乾くために必要なのは、繊維に含まれている水分が周囲の空気中に移動することなんです。乾燥するスピードは、「温度」「湿度」「風」の3つの条件によって変わります。

温度は高いほど、湿度は低いほど、風は強いほど乾きやすくなります。

部屋干しをする場合、冬は湿度が低いのですが、外と比較して風が少ないので、温度の影響が大きいと考えられます。

つまり、冬の部屋干しの場合、部屋の温度が高くなればなるほど、洗濯物の繊維中の水分が、繊維表面で水蒸気になりやすくなるため、乾きやすくなります。

冬の暖房なしの部屋は、温度が低く、繊維中の水分が水蒸気になりにくいので、空気中に洗濯の水分が放湿されにくくなるので、その結果、洗濯物の乾きが遅くなるんです。

冬の部屋干し対策の基本&早く乾かすには?

「温度」と「風量」アップが部屋干しのポイント

エアコンなどの暖房器具で室温を上げたり、エアコンや扇風機、衣類乾燥除湿機などで衣類に風を送ると、乾燥時間を短縮できます。

面積の大きいタオルなどは「ずらし干し」で乾燥時間を短縮

例えば、バスタオルを基本形(真っ二つに折った干し方)とずらし干し(前後をずらした干し方)の2つの干し方で比較すると(東京における1月の昼間の気温・相対湿度の平年値に近い状態で実験)、基本形は410分だった一方で、ずらし干しは375分と、35分の違いがありました。

アーチ状になる干し方でさらに乾きやすく!

少しでも早く乾かすために実践したいのが、角ハンガーの「アーチ干し」です。

角ハンガーで洗濯物を干す時は、以下の3つのコツを実践してみてください!

1. 外側に長い衣類、内側に向かって短い衣類を干す

2. 乾きにくい素材(綿など)を外側に、乾きやすい素材(化繊など)を内側に干す

3. 厚手の衣類を外側に、薄手の衣類を内側に干す

湿度・温度などの条件によっても乾燥速度は変わりますが、長短干しに比べて約30分程度早く乾きます。

バスタオルのずらし干しだけでなく、角ハンガーを使用する時の「アーチ干し」など、より乾きやすい干し方にすることで、乾燥移管を短縮し、生乾き臭を防ぐことができます。