HSPのタイプ別の子どもへの接し方 成長を促すには?

4つのタイプのうち、我が子のタイプがなんとなくわかった方もいるかもしれません。そこで、タイプ別に親の接し方や成長を促す方法について、中島さんにアドバイスいただきました。今回は、未就学児を想定してお答えいただきました。

敏感さんタイプ

中島輝さん(以下、中島)「敏感さんタイプの子に対しては、とにかく『安心感』を与えてあげられるような関わりを大切にしてあげましょう。

五感や感覚で受け取って、自分の内側で深く感じて緊張をしてしまったり、体が硬直してしまうこともあるかもしれません。

そんなときは、体をそっと摩ってあげたり、ぎゅっと抱きしめてあげる、目を見て微笑んであげる時間を持つなど、ちょっとした安心感を与えることが、その子の生きるエネルギーになっていきます」

わかってさんタイプ

中島「わかってさんタイプの子に対しては、安心感を与えつつも背中を押してあげられるような関わりを大切にしてあげましょう。

興味を持ったことに対して真っ直ぐに向うことができて、自ら挑戦する姿もあれば、挑戦した先の環境や人との関わりで疲れてしまうことがあるかもしれません。また、興味のあることをしたくても無意識に不安を感じることもあるかもしれません。

そんなときは、『あなたは今、こんなことに興味を持っているんだね、やってみていいんだよ、素敵だね』とその子の気持ちに寄り添いながらもその子の世界を尊重してあげることが、自分の世界を生きるエネルギーになっていきます」

優等生さんタイプ

中島「優等生さんタイプのお子さまに対しては、『あなたの存在自体が私を幸せにしてくれている、ありがとう。』という心持ちで接しましょう。

受け取る力や発信する力があるので、『そのままで大丈夫』という優しさを与えてあげてください。

手をつなだり一緒に音楽を聞いたりして、同じ時間を共有すること自体がうれしい、と表現もしてみてくださいね。その時間が、その子の生きるエネルギーになっていきます」

完璧主義さんタイプ

中島「完璧主義さんタイプの子に対しては、その子なりの直感を尊重しつつも目の前の状態を一緒に受け止める関わりを大切にしてあげましょう。

多くのことに好奇心が旺盛で、直感で動ける部分もあれば、完璧な状態を求めてしまったり、好むこともあるかもしれません。

そんなときは、『これを選んだんだねー!いいねー!この状態でも素敵だねー♪』などと、直感で行動できたことを承認しつつ、完璧主義でつまずきそうなときは、そっと今できていることや今目の前の状態を一緒に受容していくことで、その子のしなやかに生きるエネルギーになっていきます」

HSPの子どもを持つママ・パパへのアドバイス

実際のところ、HSPの子どもを持つと、親としては気を遣ったり、心配になったりするでしょう。そこで中島さんに、子育てのアドバイスをいただきました。

中島「敏感な子を育てられていく中で、その子だけの感じ方や伝え方に、時には迷ってしまうこと、理解できなくて悩んでしまうこともあるかもしれません。

でも、そんなときはこう感じてみてください『この目の前の我が子は、この世に生まれてきて与えられた五感を、心を、頭を、感覚までもすべて存分に使ってこの世界を楽しんでいる、味わっているんだ』と。

普通の人以上にたくさんの景色や気持ちを深く知って味わって表現することもできる上、誰よりも自分自身や目の前の人がいかに心地よく過ごせるかを実は一番知っているんです。

幸せになるための、自分らしく生きるための方法を、たくさん教えてくれる先生であり、世界の宝物なんですよ。大丈夫、いつでも仲間がいます」

我が子がHSPかどうか、またタイプにかかわらず、今回のチェックリストやアドバイスなどを通して、我が子に対する接し方やとらえ方が、少しでも良い方向に変わるといいですね。

【取材協力】 中島 輝さん


世界初独自の自己肯定感心理理論で『自己肯定感の教科書』が大ベストセラー。累計部数60万部超えの作家であり自己肯定感アカデミー/トリエ代表。NHK朝の人気番組「あさイチ」で「自己肯定感心理テスト」を監修。同番組内で著名な心理カウンセラーと紹介される。