「本気の証明」はどこにあるのか
最終的に、Aさんは既婚男性の「彼女」になることは断りました。
「やっぱり納得がいかないです。本気で好きと言うのなら、まず離婚するのが先ですよね」
強い口調でそう口にするAさんの感覚は正常だと、筆者も思います。
彼の様子を聞いていると、独身のAさんを遊び相手にして既婚の立場を実は捨てたくない、というような辻褄の合わない言動は見えません。
一方で、確かにAさんのことが好きであり彼女になってほしい気持ちは伝わりますが、「それなら離婚を先に」と言えば勢いが止まってしまう話を聞くと、卑怯だなと感じます。
離婚は大きなエネルギーを必要とし、ネガティブな場面をいくつも乗り越えなければならないことがほとんどです。
相手に拒否されている今の状態で離婚を進めるのは精神的にも体力的にも大変だというのは想像できますが、それこそ「自分の事情」であって、Aさんは関係ありません。
「絶対に不可能」ではなく「できるけれどやらない」ことを既婚男性が選択しているのであれば、Aさんも等しく男性の気持ちを拒否することはでき、それを責られる理由はありません。
既婚の自分のままで「本気の証明」はどうするのか、を男性は考えるべきで、Aさんの不安やためらいを無視していては、今のお付き合いもいずれ危うくなります。
Aさんにできるのは「堂々とふたりで表を歩けるようになったら付き合う」と提案するのみで、それまでは、既婚男性とのつながりには縛られないことが当然となります。
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