現地と日本のスタッフのバランスも素晴らしい
――現地のスタッフの方もいながら、日本のスタッフの方の空気感はそのままだったそうですね。
高橋 そのままです。スタッフの皆さんも本当に全世界共通だなと思います。音声さんは、フランスでも音声さんだな、とわかる格好をしていますし(笑)。それは日本とまったく変わらなかったです。そんなみなさんが真摯に「露伴はどんなことをするんだろう?」と思いながら見守ってくださいました。
現地のスタッフの方々と日本から入ったスタッフの方々の融合も、僕らが行く前から作られていましたし、そのバランスも素晴らしかったです。なんの違和感もなく、撮影できました。
飯豊 撮影に入る時にはもう、「ここで撮る」「ここでワンカットです」など、画を決めてくださっていたので、日本での撮影と変わらず撮影に臨むことができました。
高橋 たとえば、スタッフの中で意見が割れたり、相違があったりすると肌で感じ取れるんですが、まったくなかったです。
――パリの印象深い思い出はありますか。
飯豊 観光バスで凱旋門をまわるシーンがあったのですが、道の交通を止めることができないので、普通の交通に混ざって凱旋門の周りを50周くらいして撮影しました(笑)。
高橋 凱旋門を50周するなんて、人生であまりない経験でした。凱旋門は道が中心から放射状にのびているので、ぐるっとまわりながら目指す道に抜けて行くということがとても難しい。交通量との兼ね合いもある中で、けっこう奇跡的なことをやろうとしていたらしくて。
バスにはもうひとり地元の素晴らしい女優さんがいらっしゃって、この3人はほのぼのと「もう1回やりますか?」と言いながらお芝居をしているんですが、下では(カメラに映っていないところでは)戦場のようになっていたという。
飯豊 先導が大変なので運転手さんは顔を真っ赤にされて運転してくださっていました。
高橋 先導する車の運転手の方が、その2階建てバスを誘導してくれました。映画では、長いシーンではないのでサラッと流れてしまっていると思いますが……。