「黄金の精神」は、とても勇気づけられるもの
――もしも露伴のような特殊能力を身につけられるとしたら、どんな能力が欲しいですか?
高橋 「ヘブンズ・ドアー」一択ですね。台本など、普段から本も読み慣れていますし。
飯豊 私はジョジョ第4部の「ダイヤモンドは砕けない」に登場するトニオ・トラサルディーの能力ですね。レストランをやっているシェフのキャラクターなのですが、トニオさんみたいに、自分の作った料理を食べた人の身体の不調を治すという、良い能力が欲しいです。食べることが好きなので、何かご飯を作って、食べただけでもう病気が治っているというのはとても魅力的です。
――おふたりとも納得の選択です(笑)。ドラマシリーズでは、美術セットや衣裳などのディテールにもこだわりを感じる素敵なデザインで、映画では芸術の都・パリへ行きますね。いつも泉くんは可愛いファッションですが、映画ではいかがですか。
飯豊 今回は、紫の衣裳と黒い衣裳を着ています。なかでも、オークション会場に行くシーンは、シースルーを何枚も重ねて作られている紫のドレッシーなお洋服を着ているのですが、「もっとドレスっぽいものを着たかった」というようなセリフがありまして。露伴先生には「思いとどまってくれて良かったよ」とツッコまれています(笑)。
――そのシーンにも注目ですね。ところで、実写では高橋さんの露伴も4年目となり、定着し好評を得ていますね。ご自身ももともとジョジョがお好きということで、役への愛情がさらに増すこともあるかと思いますが、あらためて高橋さんにとっての「岸辺露伴」とは?
高橋 純粋な存在かもしれないです、欲求に対して。露伴は自分が生きていること、漫画家として何かを表現をすることに、誰かの目線を気にすることなく、貫いている。よく「読者のために」と言いますが、読者の向こうにいる“自分”にボールを投げているような人間だと思います。
自分が向こう側にいる。自分と向こうの間に、常に読者を入れているような人間なのではないかと感じています、僕もそうなので。彼の精神というか、志というか、出しているもの。ジョジョ的な言葉を借りるなら、「黄金の精神」のようなものがあるんです。
――「黄金の精神」というと、「ジョジョの奇妙な冒険」においての、正義の輝きのなかにある精神といいますか。
高橋 はい。「黄金の精神」は、僕にとってはとても勇気づけられるものなんです。そのことを忘れないで、芝居をしているところがあります。
作品情報
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』公開中