「岸辺露伴を知らない」という方も楽しめる作品
――高橋さんは第1期の撮影時に今作の渡辺一貴監督と『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』がもし実写化されればとお話をされていたそうですが、実際に決定されてふたりでお話をされましたか。
高橋 何も話していないです。『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』については、けっこう前からちょっと冗談めかして話してはいたんです、一貴さんから「そのお芝居はルーヴルのために取っておいてください」なんて言われたり。その時はまさか本当に実現するとは思っていませんでしたが、「作品が自然に来てしまった」と、ちょっと不思議な感覚ではあります。
飯豊 驚く間もないくらいでした。「もしかしたら続編があるかも?」というお話はいただいていたのですが、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の映画化は予想していなかったのでうれしかったです。
高橋 スタッフの方々が、日本からパリに行くまでの流れをとてもスムーズに作ってくださっていた感じがします。
――ドラマシリーズのファンの方、原作を知らないけれどドラマがきっかけで漫画を読むようになった方、原作もドラマも好きな方など、幅広い層に人気があります。この度、実写映画化にあたって、もしかすると原作もドラマも知らない方など、よりたくさんの方々が劇場へ足を運ぶかもしれません。岸辺露伴の世界に入りやすいポイントといえば、どこでしょうか。
高橋 昔、鳥肌実さんが出ている映画で『タナカヒロシのすべて』(2005年)という作品があったんですが、そういうものだと思って観に来ていただければ(笑)。最近、登場人物の名前が作品に出ているものは、わりと敬遠されてしまいやすい風潮にあるのかもしれないと思っていて。どこかタイトルに負けてしまうというか、タイトルにすごくバイアスがかかってしまうというか。
また、何気なく映画を観に行こうとした時に、「これシリーズもの?」と知ると「前も観ておかないと」と思う方々が大分増えているような気がしているんです。ですが、いろいろなものを全部取っ払って、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』をひとつの作品として自由に観ていただいて、面白がっていただけたらと。
「岸辺露伴を知らない」という方が観ても、楽しめる作品になっています。……あの、ごめんなさい。『タナカヒロシのすべて』は例えになっていなかったですが、まあ、いいと思います。あの映画、とても好きなので(笑)。
飯豊 あはは(笑)。