「人は変わらない」からこそ

「自分が変われば相手も変わる」とよくいいますが、それは今までと違うやり方をする自分を見せて相手にも変化してもらう、という考え方です。

人は鏡であり、こちらの対応が相手の態度に反映されると思えば、変わった自分を積極的に伝えていくことで相手の気持ちが動く場合も確かにあると思います。

それでも、人が変わるのは自分がそうしたいと思ったときだけであり、こちらではコントロールできません。

逆で考えれば、自分だって相手に何を言われても納得ができなければ無理をしてまで変わろうとは思いませんよね。

こちらがどれだけ新しい自分を見せていっても、気持ちが届かなかったり響かなかったりすることは可能性として当然あるのです。「自分だけががんばっていて相手はまったく変わらない」なんて結末を見れば、やはり落ち込みますよね。

「人は変わらない」と思えば、そもそも相手の変化を期待して何かをするのではなく、できるのは「自分のために」ストレスのないやり方を考えること、接し方も関わり方も相手ではなく自分をメインに据えて選択をしていくのが健全と筆者は考えます。

距離を取るのはお互いの姿を正しく見るための姿勢であり、そこで自分の在り方から変えていく、相手の選択は相手の問題だときちんと割り切ることが、不毛な感情の摩擦や確執を避ける道ではないでしょうか。

合わない人ほど、接触のたびにネガティブな感情が湧きその反動でおかしな振る舞いをしたり無理をして居続けたり、自分の「こう在りたい」を歪める言動が出てきます。

そんな自分を避けるためにも心の距離を取る、「この人はこうなのだ」とだけ受け止めて感情の動きを止める訓練が、相手との関係を悪くしないやり方ではないでしょうか。