7 お酒を控える
ちょっと風邪気味のときに、お酒を飲んでぐっすり眠るといいと思いがちです。しかし、実はこれは逆効果。通常の食べ物や飲み物は小腸や大腸で吸収されますが、アルコールは胃で吸収されます。
水を1リットル飲むというのは結構たいへんですが、お酒だったらいくらでも飲めるというのは、胃で吸収されてしまうためなのです。
しかも、アルコールは利尿作用があるため、摂取すると脱水症状になります。お酒をいっぱい飲んだ次の日、喉がカラカラという経験があると思いますが、それは脱水症状なんですね。
脱水症状になると血糖値が上がります。血糖値が上がると免疫力が下がり、ウイルスに感染しやすくなるのです。だから、お酒を飲み過ぎると風邪をひきやすくなってしまうのです。
風邪かな? と思ったら、お酒は飲まずにゆっくり眠るのが一番ですよ。
●あなたは実は間違っている? 風邪に関する疑問にお答えします
さて最後は、風邪をひいたときにやりがちなことについて、片桐先生にお伺いしました。Q&A形式でどうぞ。
Q 手を洗う代わりにアルコール消毒だけでもいい?
A アルコール消毒だけでは、手についた汚れを落とすことができません。あくまで消毒なので、まずはきちんと手を洗ってからアルコール消毒をすれば効果的です。
Q 風邪をひいているときはお風呂に入らないほうがいい?
A お風呂に入ってはいけないということはありません。しかし、お風呂につかるだけでも体力が奪われてしまいます。身体は一時的に温まりますが、体力が奪われてしまっては、風邪にはよくないでしょう。そのときの体調次第で決めてもらって構いませんが、お風呂は入らなくてもいいんじゃないでしょうか。
Q バランスのよい食事が難しいのでサプリメントを摂取していますが、役に立っているのでしょうか?
A サプリメントはあくまもで補助食品です。必要な食事を摂らずにサプリメントだけというのはオススメできません。ただし、風邪をひいて食欲がないというときに、サプリメントで必要な栄養素を補うというのはいいと思います。
Q 熱があるときにおでこに冷却ジェルシートを貼るのは効果がありますか?
A おでこに冷却ジェルシートを貼ると、おでこが冷たくて気持ちがいいというだけで、解熱に関してはほとんど無意味です。冷やすのならば太い血管のある場所が効果的。首、脇の下、内もも。ここに大きな血管があるので、この3点を冷やすといいでしょう。
Q 「バカは風邪をひかない」と言いますが本当ですか?
A それは「風邪をひいても気づかないのはバカ」という意味。人間誰でも風邪をひきますよ。
年末年始は、風邪をひきやすい時期。7カ条を守って、健康な身体で2014年を迎えたいものですね。
(聞き手)片桐崇文 かたぎり・たかふみ
「たけし整形外科・内科医院」院長・理事長。
平成5年北里大学医学部卒、同大学整形外科入局。
北里研究所メディカルセンターなどを経て、平成14年より現職に。平成24年より「たけし在宅クリニック」を江東区清澄に開業。「内科」「整形外科」「皮膚科」「精神科」の総合力ある在宅医療に尽力する。
日本医師会産業医認定医としても様々な事業所の健康管理にも従事。
プライベートでは7歳と3歳の男の子の父でもある。