『おむすび てしま』(調布市仙川町)の看板娘であり、おにぎり職人歴40年の大ベテランでもある手島弘子さん。
2024年1月の誕生日で81歳になる弘子さんは、おにぎりを毎日500個握っているそうです。
最近、しっかり握らないおにぎりが流行りらしいけど、弘子さんはゆるく握ったおにぎりを40年前から作ってきました。
握るというよりも、ご飯を包むようなおにぎりです。
なぜ強く握らないのか。弘子さん、教えてください。
「ギュッと握ると固くておいしくなくなってしまいます。ふわっとした感じがおいしいと思うから、しっかり握りません」
うちの母は、濡らした手のひらに塩をつけ、ご飯を転がしながらしっかり握っていたっけ。
弘子さんは、炊きたての御飯が2キロ入った桶に、塩を入れて混ぜる。
塩の量は目分量。大さじ何杯だとか、何グラムというような数字ではあらわせないといいます。なぜご飯に直接塩をするのでしょうか。
「そのほうがまんべんなく塩がまわるから」
ほうほう、思わず納得。
塩をしたご飯を手のひらに広げ、具をのせます。
それをふわっと丸め、計量器にのせる。具を含めて100グラムにしたらもう一度両手で包む。
握ったおにぎりを手元の海苔につけたと思ったら、おにぎりを海苔で三角形に包めば完成。
ほぼ一瞬でおにぎりができ上がりました。
弘子さんのおにぎりを頬張った瞬間、口のなかにご飯がふわっと広がりながら散っていきます。
おにぎりというも、おつつみ。
売れ筋は、「紅鮭」、「焼たらこ」(共に190円/以下すべて税込)だそうです。
弘子さんが大好きなおにぎりはなんですか?
せっかくなので、弘子さんに自分が大好きなおにぎりを教えてもらいました。
「『豚そぼろ』、『あさり』、『シーチキン』(すべて190円)が好きです(笑)」
弘子さんが大好きな3種類のおにぎりをいただきました。
シーチキンはコンビニにもありますが、滑らかな舌触りでおいしいです。
「缶詰のシーチキンにマヨネーズを和えてあります。若い人は紅鮭よりもシーチキンが好きですね」
あさりのおにぎりは初めてかも。ショウガの風味がきいていておいしかった。
豚そぼろには感動しました。あさり同様、初めて食べたおにぎりです。豚ひき肉のツブツブ感があり、あまり甘くないのがいいなあ。
具の豚そぼろは、弘子さんが作っているそうです。
「豚ひき肉に卵も入れ、甘辛く炊いています。コンビニにはないおにぎりだと思います」