大好きな作品だったら、最初と、中日(なかび)と、千秋楽近くと行きたくなりますよね。
ーーそうですね。例えば、最初の頃だったら、まだ模索している過程というか、完成形ではない、最初の頃ならではの緊張感が見られるような気がします。
おおー、なるほど。
最初の頃だと、やっぱり慣れていないから、皆さんの前で披露する緊張感はもちろんあって。ケガしないかとか、出るタイミングを間違えないかとかありますね。
ーー演劇って、期間中はもちろんくり返し上演されますよね。でも、公演期間が過ぎると、すべてがなくなってしまう。そう思うと、惜しいというか、儚(はかな)いというか…
そうですね。「それが演劇のさみしさだ」って、『朝陽の中で微笑んで』のときに、寺さんがおっしゃっていました。
それは、私自身、今まで考えたことがなかったけど、そうだなぁと、思いました。映画や、ドラマは、作品になってから公開されて、形として残せますよね。
でも演劇は、毎回が生。1回、1回を残すことはできないんです。
千秋楽が終わってしまったら、今のスタッフ、キャストの全員が、全く同じメンバーで集まることも絶対にない。
それは演劇のさみしさだけど、「別れ」があれば、新しい「出会い」もあるから。それも演劇の楽しい部分だよね、って。寺さんがそういう話をしてくれて。本当にそうだなって思ってます。
ーーそういうことも含めて、何回も観に行く人がいるんですね。
ね! 心に残しておきたい、というか。
ーーたとえ映像になったとしても、そこの空気感はわからないですから。
そうですね、違いがあると思います。もちろん、映像のありがたさもたくさんあります。
映像化されてから、もう一度観て、「ああ、ここはこういう表情をしていたんだ」「ここは、こういう歌詞だったんだ」って、わかることがたくさんあります。
でも、私自身、ミュージカルは、映像より生の舞台の方がやっぱりいいな。生の舞台では、舞台全体や、役者さんの全身を観られるからこそ、映像とはまた違ったものを感じられると思うんです。
だからなのかな。皆が「いい! 」って言って、話題になっているミュージカル映画でも、いつも「わかる、わかる!!」って、話題に入っていけないんです。
何でいつも、人と違う方向に進んでいってしまうんだろう?? って、いつも思っているんですよ。
ーーそれは、昔から?
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