物語が進めば進むほどより素敵になっていくキャラクターでした
――収録後の感想をお願いします。
島崎信長(以下、島崎):沖田総司というみんなが知っている歴史上の人物を演じさせていただけて嬉しかったです。ラブラブでハッピーっていうのを前面に出している作品が多い中でこのCDは、切なさや悲しさだったり、生と死というものが多く描かれてました。
この作品は地獄の閻魔や死神が関わってくる物語なので、史実の沖田総司の病とこの作品の死生観みたいなものが素敵にリンクしていました。とても楽しく演じさせていただいた作品でしたね。
――ダミーヘッドマイクでの収録はどうでしたか。
島崎:ダミーヘッドマイクって、マイクを主人公の女の子に見立ててその位置関係で話す場合が多いんです。でもこの作品の中では、モノローグや他の人と会話してるシーンもストーリーに含まれていて、その際もダミーヘッドマイクを使って収録したんです。
ダミーヘッドマイクを通常のマイクのように使っての収録はあんまり経験したことがなかったので面白かったです。どうしても眼の前がダミーちゃんだとそのときに会話しているキャラをダミーちゃんに見立ててしまって体が動きそうになってしまいました。
――今回演じた沖田総司の印象はどうでしたか?
島崎:最初は、浮世離れしていて飄々としていて死ぬのも怖くないっていうキャラクターなのかと思ったのですが、話が進んでいくとだんだん彼の人間らしいところや、弱い部分が見えてくるんです。
何も守るものがなかったから、大切なものがなかったから死に対しても強くいられたんだけど、大事なものができてしまったことで彼の弱さが表に出てくるんですよ。
そこからどんどん人間らしくなっていって、その人間らしい弱さから生まれた“生への執着”という強さも手に入れたりするんです。物語が進めば進むほどより素敵になっていくキャラクターでした。