ここ最近、BL誌出身のマンガ家が、女性誌や青年誌など、ジャンルを越境して活躍するケースが増えています。作品がアニメ・ドラマ化されて、普段あまりマンガを読まない人でも知っている、あの人気マンガ家も実はBL誌出身だって、ご存知でしたか? 

今回はBL誌出身の人気マンガ家と、今後、BL誌以外でも活躍すること間違いなしの注目マンガ家をご紹介します!
 

 

あの人気マンガ家もBL誌出身だった!?

『月とサンダル 1』
よしなが ふみ(著)
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●よしながふみ/『月とサンダル』

BL誌出身のマンガ家として有名なのが、昨年実写ドラマ&映画化された『大奥』の著者・よしながふみ。BL誌から女性誌、青年誌まで、幅広いジャンルで活躍するよしながふみの魅力といえば、なんと言っても独特の「間」。商業誌デビュー作のBLマンガ『月とサンダル』でも、この「間」でぐっと萌えさせてくれるんです!

主人公の小林が想いをよせているのは、世界史の井田先生。小林は告白を決心して井田先生の自宅を訪ねるものの、先生には恋人がいて――。思いがけず告白してしまったことに焦って言葉を重ねる小林と、逡巡して黙りこむ井田先生の表情が交互に描かれる告白シーンでは、ふたりの心情を想像して、ちょっと切ない気持ちになってしまいます。

そしてもうひとつ、よしながふみ作品に欠かせないものと言えば「食」。2001年に実写ドラマ化されたほか、アニメ・実写映画化もされた『西洋骨董洋菓子店』など、必ずといっていいほど、美味しそうな料理が登場します。そして、『月とサンダル』でも、小林が井田先生に手料理をふるまうのですが……。小林が手ずから、井田先生にアスパラの天ぷらを食べさせるシーンはエロスを感じさせます!

ここしばらく、BL作品を描いていないよしながふみですが、現在、「MELODY」で連載中の『きのう何食べた?』では、料理上手な弁護士とズボラ美容師のゲイカップルの日常と、おいしそうなごはんが描かれています。「BLを読むのは、ちょっと……」と躊躇している人はまず、このマンガでBLの雰囲気とおいしそうなごはんを堪能してみてはいかがでしょうか?