『スピカ ~羽海野チカ初期短編集~』 羽海野チカ(著)
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●羽海野チカ/『夕陽キャンディー』

初連載作『ハチミツとクローバー』がテレビ・ドラマ・実写映画化されて大ヒットし、現在は「ヤングアニマル」で『3月のライオン』を連載する羽海野チカも、実はBL誌出身なんです。

母親を亡くした息子の、父親に対する切ない愛情が描かれたデビュー作『冬とキリン』は、BL誌『小説JUNE』に掲載。また、『ハチクロ』連載開始と同時期に、BL誌「JUNK!BOY」に掲載された『夕陽キャンディー』では、秘密を共有する男性音楽教師に恋する、男子高校生の甘く切ない、アメ玉のような恋心が描かれています。どちらもBL未満の関係ですが、キュンッと切なくなれること間違いなし。特に、『夕陽キャンディー』で男子高校生が吸っていた煙草を取り上げて、音楽教師が吸うシーンはエロさを感じさせてくれます。ともに『スピカ 羽海野チカ短編集』に収録されているので要チェックです!

ちなみに、羽海野チカとよしながふみはデビュー前、同人活動をしていて、コミケでは隣り同士になったこともあったのだとか。当時の同人誌は中古同人誌ショップなどで手に入れるができますが、プレミアがついて、数万円と高額なものも珍しくありません。羽海野チカ、よしながふみの「すべてを知りたい!」というファンの人は、中古同人誌ショップで探してみてはいかがでしょうか?

 

『ほしいほしい君がほしい』
星野 リリィ(著)
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●星野リリィ/『ほしいほしい君がほしい』

BL誌以外での活躍が増えると、BLを描かなくなってしまうマンガ家も多いのですが、幅広いジャンルで活躍しながら、現在もBL作品を描き続けているのが、アニメ『輪るピングドラム』のキャラクター原案、2010年にアニメ化された『乙女妖怪 ざくろ』の著者である星野リリィ。

乙女ちっくで、エロかわいらしいキャラクターと世界観が魅力的な星野リリィですが、デビュー作『ほしいほしい君がほしい』も、ストーカーちっくな眼鏡男子とツンデレ美少年のとーってもエロかわいいお話です! ただし、ちょっと激しいベッドシーンがあったりと、BL要素はかなり濃いめなので、BL初心者の人はちょっと心構えが必要かもしれません(笑)。