――子連れフェスならではの楽しみ方はありますか?
レジー:去年のフジロックでの話なんですけど、チャック・ベリーなど渋い選曲のセッション企画を後ろの方で観ていたら、娘が「見えないから前に行きたい」と言い出したんですよね。連れて行ったら実際ガンガンに踊ってて(笑)。
「うちの子、こんな音楽が好きなんだ」みたいな、親的には意外な発見がありましたね。こういうことは実際に行ってみないとわからないですよね。
――レジーさんが子連れでフェスに参加した経験から、「これはあってよかった」と思う物はありますか?
レジー:子どもが疲れた時に、折りたたみ椅子があると便利ですよね(※イベントによっては使用不可の場合も)。あとフードの屋台が混んでいる時に、すぐに子どもに食べさせることができるお菓子や軽食もあったほうがいいと思います。
野外フェスの場合は、急な雨で風邪をひいてはいけませんし、レインコートも大事かと。ここはケチらずにシッカリとしたものを選んだほうがいいです。
――ちなみに、フェスはご夫婦で参加されていますか?音楽好きのご夫婦なら家族全員でフェスというのも楽しそうですけど、夫ないし妻の方が「興味ない」となってしまうと一緒に参加するのも難しそうな……。
レジー:そうですね、僕は夫婦で行っているのですが、ワンオペでフェスに参加するのは年齢にもよりますけど大変そうですよね。
ただ、個人的にはもっと色んな人に気軽にフェスに行って欲しいんですよ。「子どももまだ小さいしフェスには行けないかな」って思う人も多そうですが、意外と行けばなんとかなることは強調したいですね。
パートナーが音楽に興味がない場合でも、最近のフェスって音楽以外のこと、例えばフードの屋台なども充実してるし、フジロックはとくに環境を楽しむというか、キャンプに行くような感覚で参加しても楽しいと思うんです。もちろんしっかりとした準備は必要になりますが。
――著書にもありましたが、これまでもフェスは運営だけではなく参加者によって変わってきたという背景もあるので、今後また変化していきそうですね。
レジー:自分自身がフェスにまったくホスピタリティのない時代からひとりで行っていたタイプだったので、この数年の「レジャー化」的な動きに違和感はあったんですよ。「日和ってチャラチャラしやがって」みたいな(笑)。
そう思ってた時期もあるんですけど、「こういう楽しみ方もあるし、両方あればいいのでは」と最近は考えられるようになってきていて、子どもを連れて行くようになってからはさらにそう思うようになりましたね。
――「楽しいレジャー」のひとつとしてフェスが育つと良いですね。
レジー:もちろん全部のフェスがそうなる必要はないですし、若者だけがいるフェスがあってもいいと思うんです。
だけど、高齢化、少子化ですし、子連れきっかけでフェスがバリアフリーになって、どのライフステージでも楽しめるものになる可能性だってあるじゃないですか。お客さんもお互いに尊重し合えるといいですよね、
衝突がおきる可能性はゼロではないけど、それは寛容になるしかないですよね。もちろん、自衛は絶対大事だと思うんです。「子連れだから優遇しろ」というのは違うと思いますし、最大限の自分の準備は必要。それさえ出来たら堂々としていいはず。
お互いが気を使い合うことが大事だと思います。