「私と夫の仲があまり良くないことが、娘の中学受験にネガティブに働いてしまったと感じています。
私が娘の塾の送り迎えや学習のスケジュール管理をしていたのですが、ついつい塾のクラス替えのテストや模試の結果が振るわなかったときに娘にきつい言葉を投げかけてしまうことが多くありました。
娘よりも私のほうが受験に対して焦りを感じて、スケジュールする学習時間もどんどん長くなっていって……。
娘がしんどそうにしていることは認識していて、自分自身でも良くないことは自覚していましたが、私の行動を咎められる人が家庭の中にいなかったのですよね。
夫は喧嘩になるのが億劫で、私がやることにあまり口出ししたくないようでした。私のほうも『ノータッチのくせに!』という気持ちで夫の関与を拒否していましたし。
娘は第一志望に合格することができましたが、受験塾に通っていた期間をあからさまによく思っていない様子で、中学校に入ってからの成績も低迷気味です。
最近は、『私は絶対自分の子どもには中学受験はさせない』とまで言うようになっています」(児童指導員/50歳)
夫婦仲が悪かったり、力関係がアンバランスだったりすると、片方が受験に向かう姿勢や方針に対して関与できなくなる傾向にあります。
それでも、受験に伴走しているほうの親が冷静に動けているのであれば良いのですが、問題は暴走気味になってしまった場合。もう片方の親の言うことを耳に入れようとしないので、ストッパーがいない状態になってしまうのです。
子どもの受験のためだけに夫婦仲の改善をするのは、非常に難しいことです。しかし、そんな親の勝手な事情で、子どもの安全地帯がなくなってしまうのは大問題。
自分自身が冷静でいられるように努めるか、受験などの加熱しやすい事項に関しては相手の意見を受け入れる気持ちを持っておきたいですね。