新しい恋愛を邪魔する元彼の存在

「その人に本当に未練はないのですか?」と尋ねると、少し考えてから

「未練って、まだ恋愛感情があるとかやり直したいと思うとかってことですよね?そういうのはないですね、今の元彼のことを知りたいとも思わないし」

と、祥子さんは落ち着いた声で答えました。

復縁を望まない、その人と改めていい関係になりたいと思えないのに、なぜ忘れられないのでしょうか。

「少し前ですけど、マッチングアプリで新しい出会いを探していて、いいなと思える人と知り合いました。

考え方が合うし趣味もおかしなものはないし、仲良くなれたらいいなと思っていたのですが、その人と話していると元彼のことを思い出してしまって。

『元彼はひどい人だった』みたいな愚痴を吐いてしまうことがあって、相手に嫌な思いをさせたと思います。

いつの間にか返事が来なくなって、出会いを自分で潰してしまったって落ち込みましたね」

出会いを掴んでも元彼の気配が顔を出すような状態では、新しい恋愛はできません。

このとき、祥子さんは「実はあの人に未練があるのでは」と自分の気持ちについて考えたそうですが、やり直したいと思うことはなく、「最後に会ったときの、私から目をそらして話す姿ばかり思い出して嫌な気持ちになった」そうです。

未練がないから新しい出会いを求める一方で、いざ親しくなれる男性ができれば元彼の存在が心に浮かぶことに、祥子さんは混乱していました。