前に進めない本当の問題とは

一方で、別れ話が出たときに「正直に言えば深く考えなかった」のも祥子さんの事実です。

楽しくない理由は何なのか、元彼ときちんと話し合えていれば別れずに済んだのかもしれないけれど、「仕事のことで頭がいっぱいで、元彼と向き合う気力がありませんでした」は祥子さんの事情ですよね。

仕事が忙しいとわかっているタイミングで別れ話を切り出す男性のほうも確かに問題があるといえますが、向き合えないのなら「もう少し待ってほしい」と伝える選択も祥子さんにはありました。

相手の「別れたい」を、言われるがまま「わかった」と受け入れてしまったことが後になって痛みを生み、元彼への怒りを引きずる状態になっています。

その痛みを解決するには、元彼とふたたび話し合う必要がありますが、現実的ではありません。

復縁を考えないのにどんな理由で元彼と接触すればいいのか、2年前の別れを今さら持ち出すことに祥子さんは前向きな気持ちを持てずにいました。

「私が忘れるしかないのだって、わかっています。

向こうは私のことなんてとうに忘れているだろうし、今さら声をかけたって気持ち悪いと思われたら余計にショックだし、どうにもできないのですよね……」

自分だけが過去を引きずることの虚しさを祥子さんは実感しており、痛みの解決をどうすればいいのか、問題の核はそこにあると感じました。