チェックが「監視」になるとき

別れた恋人のSNSのアカウントをこっそり見るようなことは、心当たりがある人も多いと思います。

それが悪いというわけではなく、誰でも見ることができるSNSなら相手について少しでも情報がほしい、としがみつくこともありますよね。

問題は、その行動が相手への悪い執着を育てる流れになるときです。

「Aから電話がかかってくると、ほとんどが元カノさんの話題でした。

あるときは『◯◯って書いているのだけど、どういう意味?女の人ならわかる?』と元カノさんの投稿について私に意見を求めてきて、『本人じゃないからわからないよ』と答えるしかなかったです」

これは元カノの「匂わせ」かもしれない、一緒にいる相手は男かもしれない、とひとつの投稿を取り上げて騒ぐAさんの姿は、未練を通り越して執着のようなしつこさを感じたといいます。

復縁を求めるでもなく、忘れるための努力をするでもなく、元カノのアカウントを小まめに確認しては情報を知りたがるのは「自分が忘れられるのが怖いのかもしれない」と晶子さんには映りました。

「Aが『俺じゃないやつと』って言ったときがあって、要は新しい彼氏ができるのがイヤなのだなと思いましたね。

自分と付き合っているときに行ったお店に『男性らしき人物』と出かけた内容があったらしく、それに対して怒っていました。

『誰と行くのも自由じゃない』と呆れて返したら、『デリカシーがないだろう』って、あなたは自分がしていることは棚上げしてないかって、ツッコミたくなりました」

だんだんとAさんの相手をするのが大変になってきた晶子さんは、着信があっても出ずにLINEでも元カノの話題はなるべくすぐに切り上げて別の話をするようになったといいます。

「ある日、Aが『もうすぐあいつの誕生日で、男と過ごすかもしれない』って電話で言ってきて、『◯日は要チェックだな』って。

それはもう監視では、と背筋が寒くなって、そのときは答えずにゲームの話を振りました。

電話を切ってから彼氏にこのことを話したら、『そのうちつきまといとか始めそうで怖いね』って、私と同じ感想でしたね」

そんな自分についてAさんが「何の疑問も持っていない」ことも、晶子さんはおそろしかったといいます。