高校生になった筆者の長女の奨学金貸与が認められ、1年もたたないうちに「奨学金返還手続きについて」という書類が送付されてきて…⁉
ドタバタの山田(筆者)家「奨学金返還猶予手続き」を、ドキュメンタリー小説形式でお送りします。
「奨学金返還手続き書類」襲来!
2024年1月末日 沖縄県・某市
この時期の沖縄は、ひどく暖かい日がある。特に今年は雨が少なく、天気が続いているからよけいに気温が高い。ニュースによるとダムの貯水率が低下を続けているそうだ。
仕事を終えて早めに帰宅後、一通りの家事を終え、ふとスマホ画面を見ると長女からメッセージが入っていた。
長女は去年4月、某県立高校に進学し、それ以来は学生寮住まいで別居中だ。毎日勉強と部活に追われながらも、元気に過ごしているらしい。
久しぶりに実家に帰りたくなったのだろうか。メッセージアプリのアイコンをタップする。
※以下、メッセージのやり取りはほぼ原文ママ。
長女:「奨学金返還しやがれの手続き書類が届いたんで今日取りに来て。〆日が2/5」
奨学金返還手続き?そんなわけはない。奨学金を受け取り始めて1年足らず、彼女はまだ高校1年生だ。奨学金を返す時期は「本人が学校を卒業してから」と相場が決まっている。
何かの手違いだろうが、まさか奨学金の貸与手続きをしたとき、何か不備があったのだろうか?もしかして、山田家は奨学金を借りる必要がないほど財産を持っているとでも認定されたのか?
頭が混乱したまま、すぐメッセージを返す。
父:「なぜ?奨学金受け取るのに不正はしとらんぞ」
即座に返信があった。
長女:「満期じゃ」
満期??ますます納得がいかない。1年足らずで「満期」になる奨学金なんて、あってたまるか。高校生活は3年もあるのだ。わけがわからないまま返信する。
父:「はぁ?(スタンプ)」
父:「ますますわからん。返すのは君が卒業してからでは」
また即座に返信がきた。
長女:「知らんよとりま来て」
父:「ご冗談を(スタンプ)」
長女:「(#^ω^)いいから来い」
父:「あっ、そう(スタンプ)」
らちが明かない。ちょうど今夜は高校PTAの会合で、学生寮の近くまで出かける予定だ。
ついでに長女から書類を受け取って、何があったのか調べてみよう。