変わっていくつながり
「とにかく彼に恋愛の対象として見てほしかった」
と話す藍さんは、ホテルでの時間はもちろん、それ以外の関わりでも女性らしさや特別感を演出します。
「会うときは彼が好きだと言った飲み物を用意したり、ホテルを出た後で彼が好きそうなお店にご飯を誘ったり、一緒にいる時間を引き延ばそうとしていました」
そんな自分の気持ちを悟られると引かれる可能性についてももちろん考えていて、「クーポンがあるから」「ガソリンを入れたいから、そのついでに」など、不自然にならない誘い方も必死に考えたといいます。
男性は、最初のうちは嫌がらずに付き合ってくれたそうですが、風向きが変わってきたのは、ホテルを出てから食事に行くのが普通の流れになってきた頃。
「この後約束があるとか、忙しくてとか、断られるようになりました。仕方ないと思っていたのですが、そのうち会う約束も減ってきて……」
彼と会う日はおしゃれをがんばって、たまには食事代をおごることもあったという藍さん。
元が明るい性格なら、男性が自分と距離を置こうとしていると気がついても、そこでめげることなく「LINEのメッセージで、彼が返信しやすそうな仕事の話題とか送っていましたね」と、接触を諦めることはありませんでした。
そんな藍さんに対して、男性のほうは「返事はくれるけど、藍さんへの興味がわかるようなメッセージはない」状態で、気がつけば藍さんからの一方的な連絡に彼が返事を送って終わるようなつながりになっていました。
「それでも、月に5回くらいは会っていました。
ホテルでも何となく会話が盛り上がらなくて、終わったらすぐにバイバイみたいなときもあったけれど、『会ってくれるからには可能性はゼロじゃないはず』なんて思っていましたね……」