実際の子育て世代はどう思っている?
実際に横浜市に住み、子育てしている人は横浜市の子育て支援について、どう感じているのだろうか?
以前に取材したハッピーローソンへ行けば子ども連れのお客さんがたくさん来ているのではないか? と思いつき、話を聞くべく山下公園へ向かった。
ハッピーローソンでさっそく聞き込みを開始。
1歳の子どもを持つというママさんにお話を伺うと、やはり小学校から医療費がかかってしまうというのは不安とのこと。子どもが大きくなれば、ケガをすることも増えるだろう。「特に歯医者さんに行く機会は小さい時より、むしろ小学生以降が多い気がする」という意見もあった。
5人に話を聞いてみたが、やはり「ほかの地域では中学まで無料なのに!」と口にする人がほとんどであった。
小学校3年生のお母さんは、「小学校になると、病院に行く回数は減るけれど、冬場は熱が出るたびにインフルエンザかどうかの検査が病院で行われるので、その検査費が加わるとさらに診療費が高くなる。」と話してくれた。
「横浜市は保育園の待機児童ゼロと掲げたりして、ほかの地域の人から見ると『子育てにやさしそう』と思われるけれど、実際はそうでもない気がする」という声もあった。
やはり小児医療費助成に関しては、日々の暮らしに密着した問題であり、容易にほかの地域を比べられるという点で不満に感じている人が多いようだった。
妊婦さんへの助成やサービスは?
続いて、妊婦健診費の助成について。
キニナル投稿では、「分娩時のタクシー券や家事補助券などを支給している自治体もあるのに、横浜ではやっていません」と指摘しているが、実際はどうなのだろうか?
今度は妊婦健診費の助成などを担当しているという、こども福祉保健部へ取材に行った。
応対してくれたのは、横浜市こども青年局こども福祉保健部親子保健担当課長・近藤政代さんと、こども家庭課担当係長・橋本雅子さん。
出産費用に関しては、健康保険の対象外であり自由診療となっているため、各医療機関によりかかる費用は異なる。総額で60万円~100万円くらいになるそうだ。出産後に健康保険から一児につき42万円の出産育児一時金が支給される(全国共通)。
しかし、妊婦健診費の助成内容については、小児医療費助成と同様で各市区町村によって異なる。
横浜市は現在14枚の「妊婦健診補助券」を母子手帳とともに配布している。
妊娠が分かってからは妊娠初期、中期、後期でそれぞれ頻度を変えて、全部で14回の妊婦健診を受診することが推奨されており、そのすべての回を補助できるようになっている。
補助券の内容は、上限1万2000円券が2枚、7000円券が1枚、4700円券が11枚、合計8万2700円の補助となっている。補助金額の上限を超えた分は自己負担となる。
この健診補助券は2005(平成17年)以前は4700円の補助券が2枚しか配布されておらず、2006(平成18)年に3枚になり、その2年後に5枚になり、その次の年の2009(平成21)年にようやく14枚となったそう。
ここ数年でかなり助成内容は増えたということになる。