元彼の本当の狙いとは

そんなある日、美智恵さんはその友人からの電話で、元彼の本当の狙いを知ることになります。

「元彼は、私が置いていった靴下が気持ち悪いから、引き取ってくれって友達に言い出したそうです」

そのときの状況を伺うと、二週間ぶりにプールに現れた友人に元彼がすぐ近付いてきたそうです。

別れた元カノの友人が自分のことを快く思っていないと、それまでの態度で男性は感じていたはずで、「だから思い切ったことをしたのかも」と、美智恵さんも思ったそう。

突然の言葉に驚いて固まる友人に、「向こうが勝手に置いていって困っている」と、まるで自分は被害者のような言い方だったといいます。

友人はどんな対応をしたのか、「本人に聞いてみると答えた」ら、

「そこで『あの人はもう新しい彼氏がいるのでは』と言い出して、友達はピンときたというか、自分に未練があるかどうか確かめたいのだと思ったそうです。

私の話題ばかり振るのも、友達の口から自分について今どう思っているか聞けるのではって、期待したのだと思います」

と、付き合っているときの彼氏の姿と被ったといいます。

友人はもちろん美智恵さんの今の状況については何も言わなかったそうで、

「じっと私を見るの、美智恵のことを言うだろうって感じで。

怖かった」

そう話す友人に、元彼がどんな顔をしていたかすぐに想像できた美智恵さんは、

「もうプールに行くのはやめてと、友達にお願いしてしまいました」

と、肩を落とします。

「後になって、元彼は、友人が自分について私に話すことまで考えていたのだろうと思いました。

そうやって裏から自分の存在をアピールして、私から連絡を取らせようとする感じが、もろにその人でした」

靴下を置いていったのは確かだけれど、それを利用して自分の友人に近付く元彼には、「金輪際関わらないほうがいい」とはっきり思ったといいます。