何度来店してもラーメンを頼んでしまう……そのお味は?

豚骨、鶏ガラ、ネギのみでダシを取っているという自家製スープは「これぞ懐かしの中華そば!」と叫びたくなるような王道の醤油ベース。具は、メンマとほうれん草、ネギにチャーシューと、こちらも特別なものは付け合わせていない。そう、更科のラーメンは、どこまでも「正統な」中華そばなのだ。

シンプルな醤油味のスープは、どこか懐かしく、それでいて古くない。一見地味にも感じる盛り合わせではある。しかし、柔らかく煮込まれたチャーシューを口に含み、麺をすすれば、この店のラーメンが愛される理由は誰にでも理解できるはずだ。

 

肉厚のあるチャーシューは脂身が口の中でトロンととろける。それでいて味付けは、あっさりとした薄口の醤油味なので何枚でもいけてしまう。

これだけウマいラーメンを出す店となると、本業のそばの味もかなり気になる。しかし、いかんせんあのチャーシューの味が忘れられず、筆者はその後、何度来店してもラーメンを頼んでしまう。そば以外のメニューがヒットしているそば屋には、そんなうれしい悩みに頭を抱える常連客も多いのかもしれない。

[店舗情報]
そば処 更科
営業時間:(平日)11時30分~20時30分、(土曜日)11時30分~15時
定休日:日曜日
アクセス:東京メトロ新宿御苑駅下車。徒歩5分

今回取材した「そば以外のメニューがヒットしてしまったそば屋」はいずれも、そばの影がかすむほどに「じゃない方のメニュー」がウマすぎた。各店舗、そばの味にも定評はあるはずなのだが、この記事ではすべてをカバーし切れない(というか筆者はもう食べられない)。そばの味が気になるという方は、ぜひともご自分の舌で確かめてみてほしい!

株式会社エディトル所属。IT系雑誌やムックの編集業のほか、コミック、文芸、お笑い、ライフハックなど多分野の記事を執筆。絵が描けないくせにイラストのディレクションに手を出し始めた今日この頃、この仕事はなんでもありなんじゃないかと思い始めている。