おいしいけれど、なんだか胸が痛むウサギ肉

今回試食した肉の中で、ワニ、ラクダに続いて好評だったのがウサギ肉です。

 

フランス料理でも使われるその柔らかい肉質は、淡白で臭みがなく、炭火で焼くと鶏肉のような食感で非常に美味。試食モニターの間でも好評でした。

 

「柔らかくておいしい!」
「ウサギを抱っこしたときの、あのフニャっとした柔らかさをそのまま食べてる感じ。おいしいけど、少しかわいそうな気もしてきた……」
「鶏肉と言われて提供されたら気づかないかも。さっぱりしていてスダチとも合います」

ウサギのかわいらしい表情を思い浮かべてしまうと心が痛むので、咀嚼中は無心を心がけた方がよさそうですね。
 

【おまけ】締めの熊汁

仕入れたものの、肉質の硬さからBBQに向かなかったクマ肉は、今回、熊汁にして食べてみました。

熊汁の作り方は、ほぼ豚汁と同じ。ただしクマ肉は臭みが強いので、どれだけ丁寧に灰汁取りをできるかが重要です。数十分かけて根気よく灰汁を取り続けた後、野菜を入れて味噌で味付けをします。

そして気になる味ですが……これがめちゃめちゃおいしいんです!! 正直、まったく期待していなかったのですが(クマに失礼)、じっくりと弱火で煮込んで灰汁を取ったのでケモノ臭さはほとんどありませんし、何より肉が柔らかい!

脂身から濃厚なダシが出ていて、味はジューシーな豚汁、といった感じでしょうか。クマ肉には身体を暖める効果もあるようで、食後には全身がポッポと熱くなりました。
 

今回取り寄せた肉はどれも、普段の食卓には並ばないような食材ばかりでした。しかし、実際に試食モニターに味の感想を聞いてみると、牛肉や鶏肉、豚肉といった普段私たちが食べている肉に似ている、というコメントが多かったのが印象的でした。

「だったら臭みもなくて安心して食べられる牛豚鶏を食べればいいじゃん」という声が聞こえてきそうですが……筆者もそう思います(笑)。やはりBBQは牛、豚、鶏がベストですね。

でも、未知のお肉をみんなで食べながら味の感想を言い合って盛り上がるのも、なかなか楽しいものですよ。ご興味のある方はぜひ試してみてください。

※今回紹介した肉の中には強烈な臭みのものもありましたが、すべて残さずおいしくいただきました。

株式会社エディトル所属。IT系雑誌やムックの編集業のほか、コミック、文芸、お笑い、ライフハックなど多分野の記事を執筆。絵が描けないくせにイラストのディレクションに手を出し始めた今日この頃、この仕事はなんでもありなんじゃないかと思い始めている。