実は私、自分の声があんまり好きじゃないんです。もともと声が高いから。

歌声も高いから、”今回、男役なのにどうしよう”って思ってたんです。叫ぶシーンがたくさんあって、例えば「○○じゃんかよっ!」っていう台詞だと、どうしても語尾がどんどん、どんどん上がっていっちゃうんです。

そうすると、どうしても女の子っぽく聞こえちゃって。演出家さんに「語尾は全部下げて」って言われてたんです。語尾を下げて言うだけで、だいぶ男っぽくなるからって。

はじめはそれを意識してやってました。そのうちに声が枯れてきて、自分でも“高い声が出ない”って分かり始めたんです。それにプラスして“低く低く”を意識していったら、それが自然に身体に染みついてくるようになったんです。

ーー今日もまだ、かなりハスキーボイスですね。

痛くはないんです。実は薬を飲んだり、ずっとケアしていたりで、舞台中は何とか大丈夫だったんですが…。やっぱり、”薬は身体によくないから”と、飲むのをやめた途端にこんな声になっちゃって。“あ、これが本当の今の自分か”と、現実を見ている2日間です(笑)

ーーさきほど“初日前の1週間でガッと詰め込んだ”と言われてましたが、お稽古中はもちろんから本番まで、中味の濃い時間を過ごされたのではと思います。その中で一番嬉しかったことといえば、どんなことですか?

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