そうですねえ。出演している後輩が、どんどん“AKB49”という作品を好きになっていったこと。一緒にいる仲間を“新しい仲間”と思ってくれて、舞台に立てていることを、“楽しい”って思える。そんな皆を見たとき、本当に嬉しかったですね。

ーーそう感じられるようになったのは、いつくらいからだったんですか?

やっぱり小屋入りしてからかな。お客さまに見ていただくようになって、ますますそう感じるようになったし、お稽古中よりさらに進化しているのがよく分かりました。

お稽古が始まった頃は、いつもと違うスタッフさんに囲まれて、自分たちがやったことがないお芝居に関わって、初めてだから怒られることもあったんです。

後輩たちはそれに慣れてないから、イキイキしていたり、「今日も楽しみ!」って前向きなメンバーもいる一方で、「ああ…、今日も頑張んなきゃいけない…。できれば劇場公演に出たい…」っていう本音が、ついつい顔に出てしまうメンバーもいたんです。

“座長”といわれている人間からすると、そういうメンバーを見ると悲しい気持ちになりました。どうすれば皆に“この時間がどれだけ幸せで楽しいか”って気付いてもらえるかって。でも、私は私で自分に必死過ぎて、声をかけてあげることができなくて。

後々、演出家さんとこの話をしたとき、「いやあ、稽古場は大変だったね」っておっしゃってて。演出家さんにも皆の気持ちが伝わっていたんですね。やっぱり初めてのメンバーは、「ああ…。今日も長い一日が始まる」って考えちゃう子もいたから。

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