でも、そう思っちゃうのも初めてだから当たり前なんです。人間って誰でも怒られるのは嫌じゃないですか。「今日も怒られる」「同じシーンでまた怒られちゃった…、もう、ヤダ、ヤダ、ヤダ。。。」って。そう思ってる子の気持ちが伝わってきちゃうんです。

だから私は“怒ってくれる人がいるっていうのは幸せなことなんだぞ”って、テレパシーを送って(笑) 今回自分のことだけで精一杯だったから、言葉で言えない分、自分がどれだけこの作品に向き合えているかを、”姿勢”で見せなきゃと思ってました。

怒られてるかっこ悪い姿、失敗する姿、全然できてないところも見せました。

それを見て、後輩たちが「佐江さんはまだできてないけど、私はできてる」って、自分の強みに思ってくれたらいいなと思ったし、その逆だったとしても、それを何かの力にしてくれたらいいなと思ってました。

でも、いろんな自分を見せたつもりでいたけど、言葉をかけられたかというと全然できなかったですね。

ーーミュージカルという舞台で、しかも座長として皆をまとめる立場になるのは、佐江ちゃんにとっても初めての経験でしたもんね。

そうですね。もっと皆にアドバイスとかしてあげたかったし、でもよく考えたら私自身も大きな舞台は『クザリアーナの翼』の経験だけで…。そんな自分が大きなことを言える立場でもないし、やっぱり自分的にも小っ恥ずかしいなあっていうのもありました。

ーーでも、『クザリアーナの翼』で学んだことは、多いに活かすことができたんじゃないですか?

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