現代は、生きづらさを抱える人の多い時代です。それはママであっても同じこと。
怒り、嫌悪、嫉妬、いらだち。
人の親になったからといって、こういったネガティブな感情がなくなるわけではありません。誰にでも、苦手な人はいるでしょうし、時にはうんざりするようなこともあるでしょう。
ですが、ママ友のつきあいや、子どもにはネガティブなところを見せたくないという想いから、自分の負の感情を押し殺していませんか?その結果、なんだかわからないけどモヤモヤする・・・ということに。
正体のわからないものはこわいですよね。
そのモヤモヤ、ちゃんと向き合ってみれば、案外、おそれるに足らないものかもしれません。それどころか、自分でも気づかなかった宝物の探知機になるかもしれませんよ!
作家、ブロガーでメンタルコーチであるワタナベ薫さんの26冊目の著書『生きるのがラクになる ネガティブとの付き合い方』(マガジンハウス)を参考に、ママ友ライフの生きづらさ軽減方法を探っていきたいと思います。
ママだって人間
ママ友のSNSを見てうっすらモヤモヤする人。笑顔で接していても、実は顔を合わせるのが苦痛なママ友がいる人。口には出さずとも、ママ友ライフにもそれなりのストレスはあります。
そこに子どもがからんでくると、さらにモヤモヤは複雑に。たとえば、苦手なママ友の子どもと、自分の子どもの仲が良い時など、モヤモヤしますよね。
そのモヤモヤを放置していても、状況は改善しません。ママ友ライフの生きづらさを軽減するには、自分のモヤモヤと向き合うしかないのです。
もちろん、嫌な人や苦手な人をとことん排除して、付き合わないのもひとつの方法ですが、嫌いな人なんてどこにでもいるもの。それに、実は多くの人が避けたいのは、嫌な人そのものというより、その人と接した時に自分の中にうまれるドロドロした感情なのではないでしょうか。
ワタナベさんは言います。
「自分の中にあるネガティブな感情を嫌わないでください。どんな人にもネガティブな部分はあり、それと同時にバランスよく、美しい部分も持ち合わせているのです」
まずは吐き出してみよう
ネガティブを避ける傾向は、どの社会にもみられることです。特にママには、子どもには美しいものだけを見せたい、と思って、黒いものにふたをしてしまう人も多いのでは?
その結果、つらいのにつらいと言えなかったり、嫌なのに断れなかったりすることが増え、自分の感情がわからなくなることも。押し殺された感情はいつか爆発してしまうかもしれませんし、精神的な病を招く可能性だってあります。
湧きあがった感情がたとえ負の感情でも、否定したり、ジャッジしたりせず、まずは認めてあげてください。ひとりの部屋で声に出して吐き出すなり、ノートに書きなぐるなり、方法はいろいろあります。
大事なことは、感情をとにかく言葉に表すこと。そうやって、存在を認められた感情は、暴走をやめていきます。
その上で、その感情と向き合う作業に移行していくのが良いようです。モヤモヤ、ワサワサした心のまま、感情に向き合おうにも、その感情がどんな感情なのか、わかっていない状態では向き合いようがありませんよね。
「ネガティブとポジティブは表裏一体」の本当の意味
よく聞く言葉でも、実は本当に意味を理解していない言葉ってあります。「ネガティブとポジティブは表裏一体」もまさにそんな言葉だと思うのですが、この言葉を、実際の体験に当てはめていくと、なるほど、と目からウロコが落ちるかも。
ですが、くれぐれも、無理やりポジティブな意味合いを見つけ出すのではなく、順を追ってやってください。
ワタナベさんはプロセスを次のようにまとめています。
- 自分の中のマイナスを知る
- マイナスを認める
- その対極のプラスを知る
たとえば、ママ友がマイホーム購入の話をしている時に、おめでとうと言いながら、心は穏やかでなかったりします。
ひとりになって自分の内面を見つめていると、初めのうちは、「持家なんて、ローンに追われるだけじゃないの」「旦那にだけ働かせて、いい気なものね」など、複雑な心のうちが出てくるかもしれません。ですが、どんどん掘り下げるうちに、「うらやましい」というシンプルな感情があることに気づきます。
何のことはない、自分もマイホームが欲しかったのです。妬みの先には憧れがあったのです。それを素直に認めたくなかっただけなのですね。
居場所を与えられた感情は、それ以上暴れることはなくなります。一見ネガティブな感情をみつめていくと自分の中にあるポジティブな信念がみつかる、ということがわかれば、ネガティブな感情が湧きあがった時は、自分の中の自分も知らないステキなことに気づく最大のチャンスということなのですね。
自分の本当の気持ちがわかったうえで、「じゃあ、どうしたい?」と自分に聞いてあげてください。渦を巻いていた気持ちがほどけて、現実にも変化が訪れるかもしれません。