パパやママのなかには、昔、学校では優等生で、テストでいつもいい点を取っていた、という人もいるかもしれません。もしくは、勉強は嫌いだったけど、暗記は得意だったので歴史ならまかせて! という人もいるかもしれませんね。
そんなパパママの常識を、今どきの教科書は覆してきます。
そもそも、パパママ世代が学校に在籍していたのは、若い人でも軽く20年はたっていますよね。時代は変わり、研究は進み、その結果、学問のフィールドではそれまで常識と思われていたことさえ変わるのです。
子どもに聞かれてもたじろがないように、今の教科書の新常識を、『こんなに変わった!小中高・教科書の新常識 (青春新書プレイブックス)』で抑えておきましょう。
今の教育の流れ
戦後の詰め込み教育の反省から始まったゆとり教育、ゆとり教育でのゆとりを生みすぎる失敗を経て、さらなる反省からまた、現代の教育は脱ゆとりへと舵を取り始めています。
それに伴い、教科書もゆとり教育の頃よりも厚くなり、大人の知らない「新常識」がたっぷり詰まっています。
「教科書で習ったことは変わらない」という思い込みを捨てて、お子さんの教科書を眺めてみると、いくつもの新しい発見に出会えるはずですよ。
せっかく苦労して覚えた常識が覆されることも?
街中で1192という番号がついたナンバーの車を見かけると、反射的に「イイクニ(1192)つくろう鎌倉幕府」というフレーズが浮かんでしまうパパやママ、残念ながら、今の教科書のどこをみても、その年号は載っていません。時は流れて、今では「イイハコ(1185)つくろう鎌倉幕府」と覚えるのだそうです。
もともと、鎌倉幕府成立の年については、諸説あったそうですが、1192年は源頼朝が征夷大将軍に任命された年、つまり名実共に鎌倉幕府が成立した年で、幕府の基盤がすでに出来上がっていた1185年を成立の年とするようになったからなのだそうです。
教科書は4年に一度更新されるのですが、数ある科目のなかでも歴史は新常識がうまれやすい科目なのだそう。
そもそも歴史はすでに終わった過去の出来事を、数々の史料から仮説や推論を立てながらつくられるものですから、後から以前の歴史を覆す証拠が出てくれば、それに合わせて変わることも、大いにありえるのです。
パパママを驚かせる新常識は、まだまだあります。
「日本最後の貨幣は?」と聞かれれば、「和同開珎!」と答えたくなるところですが、今の子どもたちが習うのは「富本銭」、ふほんせんと読みます。
他にも、江戸時代の身分制度として「士農工商」という言葉を覚えているパパママも多いかと思いますが、なんと、現在、この四文字が載っている教科書はゼロ!
というのも、近世史の研究が進むにつれ、士農工商という身分制度はなかったということが明らかになったからだとか。
武士階級が支配階級であったことに間違いはないのですが、問題はその下の農工商で、それらは単なる職業の種類であり、商人がいちばん下の階級だったわけではないのだそうです。
今どきの国語にびっくり!
今の子どもたちはいわゆるデジタルネイティブと呼ばれる世代に当たります。
生まれた時から当たり前のようにパソコンやタブレット、スマートフォンが身近にあって、親たちがデジタル端末をいじくっている姿を日常的に目にしていますし、スマートフォンや携帯電話を所持する子どもの低年齢化も進んでいます。
今の子どもたちは学校の国語の授業で、電子メールの書き方を学ぶそうです。
- メールの件名にはどんな表現が適切か?
- 本文をわかりやすく簡潔に伝えるには?
といったことを授業の中で実践を交えて学び、言葉によるコミュニケーションマナーを学ぶわけですね。
インタビューやディベート、プレゼンテーションについても、国語表現の一環として学びます。大人ももう一度、学び直したいような内容ではありませんか。