何もつけずフィレから先に食べてみてください」

テーブルで待っていると井上さんが料理を届けてくれた。

【矢澤チキン】 矢澤プレート(画像はトリプル)には、ライス(青森県産まっしぐら)とチキンスープとソースがついてくる。チキンソースはテーブルに置いてあった

「矢澤プレートのトリプルです。左からムネ、フィレ、モモ。まずはフィレを、そのまま召し上がってください」

【矢澤チキン】 フィレのチキンカツ。まずはそのまま食べるべし。齧った瞬間、新しい天体を発見できるはず

ひと口食べた瞬間、驚いた。これがチキンカツなの!? むかし親戚の家で食べたチキンカツ(部位は不明)はパサパサで、ソースをぶっかけて水分を増量して食べた記憶がある。あれ以来、チキンカツが嫌いになった。

ところが、井上さんが揚げてくれたフィレのチキンカツは、ジュージューでしっとりしていて、めちゃくちゃうまい。噛むたびに大粒のパン粉がサクサクと音をたててくだける。

そのままでもめちゃくちゃうまい。パン粉のサクサク感と、肉汁ではないと思うけど、水気が口のなかにあふれる感覚が舌に心地よかった。

「専用のソースや塩もありますが、まずはそのまま」

【矢澤チキン】 チキンカツ用のソースと藻塩。(手前左から)ジンジャーソース、藻塩、タルタルソース。うしろはチキンカツソース。藻塩以外、すべて自家製のオリジナル

タルタルソース、ジンジャーソース、チキンカツソース、藻塩が用意されている。藻塩のみ既製品で、それ以外はすべて自家製。それぞれ時間をかけて開発したソースだと思うけど、何もつけずに新鮮な感動を味わえた。

「続いてモモを食べてみてください」

【矢澤チキン】 モモのチキンカツ。若干ニンニクがきいているので味変が愉しめる

フィレの次になぜモモなのか、よくわからなかったけど、モモを齧った。フィレ同様ジュージューでしっとりとしていたが、若干ニンニクがきいていた。肉を塩ダレに漬け込んでいると井上さんは教えてくれた。モモには塩ダレのほか、ニンニクも使っているようだ。

藻塩と3種類のソースをつけて食べてみたけど、そのままでも十分おいしかった。

最後はムネ。