「パサパサのはずのムネもおいしいと思います」

【矢澤チキン】 ムネのチキンカツ。パサパサだと思っていたムネ肉が絶品でした

「ムネはパサパサだと思われているので、一番ハードルが高いと思います」

たしかに脂が少ないムネは、パサパサのはずだ。

ところが、だ。ムネもフィレやモモに負けないぐらいジュージューだった。モモのようにニンニクはきいていないようだ。下味はフィレと同じかもしれない。

3種類のチキンカツを食べ比べたわけだが、これまで嫌いだったチキンカツが大好きになった。チキンカツの概念を180度くつがえされた。

矢澤プレートにはニンジンエピ、ポテトサラダ、千切りのキャベツ、チキンスープ、ご飯がついている。サラダもチキンスープも自家製。昨今コメが話題にのぼる機会が多いが、矢澤チキンでは青森産のまっしぐらというコメを使っているそうだ。

「水分含有量がほどよく、揚げ物との相性がいいことから青森県産まっしぐらを選びました」

矢澤プレートのほか、カレーライスにチキンカツをのせた矢澤カツカレー(1,680円~)、オムライスにチキンカツを添えたオムカツボウル(1,680円~)もある。共に3種類の部位の中から1種類を選ぶスタイル。

それぞれどんな料理なのか、井上さんに説明してもらった。

【矢澤チキン】 画像はフィレのカツレツだが、ムネかモモも選べる

「矢澤カツカレーのカレーは、チキンカツをおいしく食べてもらうために開発した料理で、黒毛和牛のバラひき肉を使っています」

【矢澤チキン】 チキンカツに黒毛和牛のバラひき肉を煮込んだカレーをかけていただきました

精肉卸のヤザワミートでは2007年の創業以来、黒毛和牛を扱ってきた。その黒毛和牛で作ったカレーは、単品でも勝負できるぐらい完成度の高い料理だと思う。けれど、この店はチキンカツが主役なので、カレーの上にチキンカツを盛りつけることにしたそうだ。