日本で探してもここだけ。山下町「おさ亭」の鴨鉄

「これは、やられた。いや、見つけた」というのが食べた感想でした。「鴨鉄」、出会えて幸せでした。

みなとみらい線元町・中華街駅から歩いて2分ほどの路地にひっそり佇む「おさ亭」。2003(平成15)年にオープン。街の裏通りにこだわり、3年前からは鴨鍋の専門店としてその味にこだわる名店「おさ亭」。店を訪れるお客さんは皆さん、おさ亭のオリジナル鴨鍋「鴨鉄」をいただきに山下町の裏路地にやってくる。

おさ亭の店主、小澤さんにお話を伺う。

「鴨の脂、その味をどう生かせるかというところからはじまりました」と、おさ亭の看板鍋「鴨鉄」の全容のお話が始まる。鉄の鍋でまず、じっくり弱火で20分、鴨の脂身をじりじり焼く。鴨の脂が出きったところで脂の出ガラを取り出し、まずは野菜をそこで焼いていただく。鴨の脂で野菜を焼くのが鴨鉄のイントロ。

その斬新な発想については
「そこまで大がかりなものでもなくて、鴨の味をどうやって美味しくいただくかを考えていろいろ試した結果、今のカタチになりましたが、これが・・・美味しいカタチになってくれまして(笑)」

「たぶん日本でもここでしかないと思います」とのこと。新しい発想や創作に、その主が威張っているとどうも萎える。その類がまったく感じられない力の入っていない風情に、さらに期待がふくらむ。

注文は2人前から。今回も2人前で出していただいた。

まずは鴨の脂身を焼く。

ネギの青みとショウガと一緒に脂身を弱火でじっくり20分、よく焼いて脂をしっかりと出す。時折、こげないように箸で動かしながらじっくりと焼く。


焼きが終わるまでの間、小松菜とキノコのおひたし(500円)をいただく。カニのほぐし身がのる。さっぱり上品なダシのおひたし。ほのかに柚子が香る。美味い。