『ウィッチクラフトワークス』の『ウィッチ☆アクティビティ』
ファンタジックな魔法バトルと学園ラブコメを絶妙なバランスで融合させた『ウィッチクラフトワークス』のエンディングとして使われていたのがこの曲。歌うは、劇中で憎めない悪役5人組として登場をしていた魔女グループ、KMM団。アニメの中でも、それぞれキャラが立ちまくっていた5人が歌うのはピコピコしたテクノポップナンバーで、これが非常にチャーミングでメロディも素晴らしい!
"魔法バトルもののアニメなのに、何故か曲はテクノポップ"という独創性もユニークで、これまた強く印象に残った楽曲。デフォルメキャラになったKMM団の5人組がひたすら拷問(というか、もはや死刑)を受け続けるシュールなアニメーションもインパクト大でした。
この曲の作者は、アニメ本編のBGMも担当したテクノポップユニット、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND。決して、クラブ寄りのお洒落でダンサンブルな"テクノ"ではなく、キュートでポップス寄りの"テクノポップ"を徹底した『ウィッチクラフトワークス』は、キャラクターの魅力やストーリーのおもしろさは勿論、音楽面でも大充実な作品で音楽ファン……特に、80年代の洋楽愛好家やテクノポップファンには是非ともチェックしていただきたい良作です。
ちなみに、この『ウィッチ☆アクティビティ』のジャケットは、テクノの父でありテクノポップの源流の一つでもある偉大なるテクノバンド、KRAFTWERKが1978年に発表をしたアルバム『人間解体』へのオマージュ。音だけではなく、ビジュアルからも伝わるテクノポップ愛。徹底しています。
『人生相談テレビアニメーション「人生」』の『凸凹解決せんせーしょん』
近年のアイドルブームも相まって、今年もアイドルが歌うアニソンから良曲が沢山誕生しました。そんなアイドルアニソンの中で、私的なベストとして"推し"たいのが『人生相談テレビアニメーション「人生」』のオープニング曲で、あやめと優里花 from 乙女新党が歌う『凸凹解決せんせーしょん』です。
昨年、『GJ部』の主題歌『もうそう★こうかんにっき』でデビューを果たした乙女新党。"2軍のファンタジスタ"をテーマに、ちょっと"残念"な歌詞世界をハイエナジーな楽曲に乗せて歌う、そのユニークなコンセプトでアイドル界で独自の地位を築いた彼女達が、葵わかなさんと荒川ちかさんの卒業後に、心機一転のリスタートとしてリリースしたのがこの曲。
ファンキーなベース音が引っ張る超ボルテージの高いミクスチャーロックサウンドに、高橋優里花さんと田尻あやめさんのまくし立てるような早口歌唱がミックスされたハイテンションな楽曲は、これまたテンションの高いコメディを得意とする川口敬一郎監督が手掛ける『人生』の世界観にもピッタリ!
『もってけ! セーラーふく』のメガヒット以降、アニソン、声ソンの世界に定着した感もあるミクスチャーロック調の楽曲(今年だと他には『ディーふらぐ!』の『すているめいと!』など)ですが、『凸凹解決せんせーしょん』もそんな名曲たちの中に仲間入りをさせたいナンバーです。
この曲の作曲者は、これまでにネットを中心に楽曲を発表されていたというy0c1eさん。今年は、この『凸凹解決せんせーしょん』の他に、『白銀の意思 アルジェヴォルン』エンディング曲の『フェイス』も作られています。そちらでは、もっとグッとストレートなロック色を押し出したバンドサウンドを作られていて、曲調に大きな広がりを感じさせてくれる新進気鋭の作曲家さんです。来年のy0c1eさんの創作活動にも要注目!