3. 経済的にもはっきり頼めれば「重さ」もあり
もうひとつ、ファイナンシャルプランナーとして指摘したいのは「親の経済力に頼れるなら、重さも受け入れられる」ということです。
野球のオーナーが現場に口出しをしてもしょうがないように、子育て費用のスポンサーとなれば、親のわがままも少々は許せてきます。
まず、年間110万円までは贈与税の対象となりませんので、親からの援助について税制上の問題になりません(振込等の履歴は残しておいた方がいい)。
また税制優遇が受けられる祖父母から孫への贈与の仕組みとして「教育資金贈与」があります。これはひとりあたり最大1500万円まで(学費以外は500万円が限度)一括で贈与された資金を非課税とするものです。相続税がかなりかかりそうな場合、相続税を大きく軽減するチャンスにもなります。高校と大学の7年間では約1000万円がかかるといわれており、もし援助してもらえるのなら「親の重さ」も気にならなくなる金額です。
運用益が非課税となるNISA(少額投資非課税制度)についても「子どもNISA」の創設が検討されています。こちらは子ども名義の投資口座に年80万円程度積立拠出できるようです(まだ実施は未確定)。18歳まで積み立ててくれればこれも学費準備のほとんどを解消してくれることになるでしょう。
「カネは出さずに口を出す」は腹が立ちますし親が重いと感じることになります。「カネも出すので少々口も出す」ならパパママも親の重さに(ちょっとは)あきらめがつくはずです。
「親の重さ」に負けないで楽しく子育てをしよう
私たちは「親に感謝」を強く刻まれている世代です。アメリカのヒップホップでしたら親はたいてい批判の対象ですが、日本のミュージックシーンではではラップやヒップホップでも親に感謝しているほどです。
しかし、自分自身が親となってパパママとしての責任を負ったら、みなさんはもう独立した家庭と独立した社会人なのです。自分の親との距離感は見直してもいい時期だと思います。「親の重さ」はあなたが未熟な子であった時代はともかく、成人したあなたに押しつけられるものではないのです。
ぜひ対等に親と話し合い、解決策を探してみてください。最高の切り札である「孫」はあなたの元にあるのです。有利に交渉は進むはずです!。
そしてもし、あなたが「親の重さ」に苦しんできたのであれば、自分の子どもには「親の重さ」を与えず楽しく無理なく子育てをしてほしいと思います。子どもは最後は親の意思と手を離れて独立した存在となっていきます。しかし、今しばらくはパパママの庇護がなければ一日を生きていくこともできない存在です。
ぜひ、子どもとの貴重な時間を楽しんでください!
■データ引用元
・女性世代の結婚・出生に関するライフコース c) コーホート別にみた女性の子ども・孫を持たない割合(国立社会保障・人口問題研究所)
・ 平成23年版厚生労働白書 健康づくりをめぐる日本の社会経済、人口構造等の状況 (厚生労働省)
・平成25年版厚生労働白書 -若者の意識を探る-「出産・子育てに関する意識」(厚生労働省)