子どもはとうともかあかも大好き

――ご本の中にあった、息子さんが2歳の時、夫婦ゲンカをしたら、息子さんが美幸さんを守ろうとしたというエピソードが印象に残っています。やっぱり子どもは両親に仲良くしてほしいんだなあ、と思いました。

鈴木「いや、それは妻がそのように育てたからかもしれないですね」

――と言いますと?

鈴木「たとえば、僕が仕事でいない時に、妻はすごく僕の仕事のことを話してくれているみたいなんですよ。僕が仕事ですっごくがんばっているんだよって。

そのおかげで息子も、僕が忙しくてしばらく一緒にいる時間がとれなくても、僕のことを受け入れてくれているんだと思います。子どもに父親のことをキライにさせるなんて、母親にとったら朝飯前ですからね。

それに、さっきも言いましたが、僕が怒られることの方がずっと多いので、最近は、僕が妻に怒られると、息子が“怒っちゃダメ”とかばってくれるようになりました。肩をもつというか(笑)」

――仲間意識みたいなものが芽生えるんでしょうか。

鈴木「“さっき怒られたな”“こわかったな”とかこそこそ言い合って、それを聞いた妻がまた怒るという(笑)・・」

男は女に怒られるのがさだめ?

――怒られるのはイヤじゃないんですか?

鈴木「もう、笑っちゃいますよ(笑)」

――“男は女性に叱られ続ける生き物”とエッセイにも書いてありましたね。

鈴木「妻が怒る時って、ため息つくんですよね。そういう時は、あえて何も話さないで静かにしておいたりしますね」

――放送作家と芸人の夫婦ということで、ケンカする時も、どこかユーモアを入れたりするのかと思ったのですが・・・

鈴木「いや、もめる時はもめますよ。いちばんもめるのは、保育園のお迎えですね。この日は用事があると言った、言わないになったり」

――あ、そのあたりはどこも同じなのですね(笑)

鈴木「言い合いはありますよ」

――そのリカバリーはどうされているのでしょうか。

鈴木「絶対、その日のうちに、謝りますね」

――どちらから?

鈴木「基本はだいたい僕から」

――素晴らしいですね・・・。それがなかなかできない人はたくさんいると思います。お互い意地の張り合いみたいになってしまって。

鈴木「そうならないためですね。イヤな気分が続くのがイヤなんで、リセットするために、何が悪かったか、検証するんです。怒っている時は検証できないですからね」

――たとえば、誤解からケンカになることもありますよね。そういう時はどうするのですか?

鈴木「僕が悪くない時も、とりあえず謝って妻の態度を軟化させて、いかに僕が悪くなかったかを説得するんです」

――大人ですね。いったん引けるっていうのは、だんだんそうなってきたんですか?

鈴木「その方が早いですよね。僕たちの仕事って、すごく我の強い人が10人くらい集まって話し合ったりするんです。仕事と似てますよね」

――なるほど、自分の正しさをぶつけるだけでは、前に進みませんよね。